待望の続編だったはずなのに?

 人気作品というものは一度完結しても、ファンの期待に応えて続編が制作されることがあります。しかし、その続編がファンの望んでいたものになるかは、また別の話でしょう。作品によっては、こんなオチを見るくらいなら、続編を見たくなかったと酷評を受けることもありました。

 そこで1990年代にTV放送されたアニメのなかで、ファンから熱い支持を得て続編が制作されたものの、賛否両論あった作品を振り返ってみます。

 そのひとつが『疾風!アイアンリーガー』(1993年4月6日〜1994年3月29日)です。いわゆるSDキャラと呼ばれる系列の3頭身ロボたちがスポーツをする作品なのですが、その見た目と違って熱く激しいバトルもののテイストの作品でした。

 TV版では、ラフプレイが横行するロボット同士のスポーツ業界で、それでも正々堂々のフェアプレイ精神を掲げた「シルバーキャッスル」という弱小チームの活躍を描いています。このシルバーキャッスルが勝利をおさめ、その熱いプレーに心を動かされた業界の黒幕・ギロチがアイアンリーグの面白さに目覚め、誰もがフェアプレイで戦うことを望むようになるところで最終回を迎えました。

 多くの熱狂的なファンを生み、放送終了後にOVA(オリジナルビデオアニメ)作品として全5巻の続編が制作されます。それが『疾風!アイアンリーガー 銀光の旗の下に』(1994年11月21日〜1995年4月25日)という作品でした。

 続編ではUN社と合併したシルバーキャッスルはオーナーが交代、新メンバーによるラフプレイが横行するようになります。これに耐えられなくなった一部のメンバーがチームを抜け、真のシルバーキャッスルとしてUN社に支配されたシルバーキャッスルを取り戻すため戦いを挑みました。

 このOVAの見どころがこの部分。シルバーキャッスル対シルバーキャッスルという構図がTV版に匹敵する熱いドラマを生み、物語を盛り上げていきました。しかし、かつてのチームメイト同士の戦いに、一部のファンから否定的な意見が出てきて、なかには途中で見なくなる人もいたそうです。

 そして、物語の結末で作品から離れていったファンも多くいました。その結末はシルバーキャッスルのメンバー全員が散り散りバラバラになってしまうというもの。再結成だと思ったら解散という真逆な展開でした。

 メンバー一人ひとりがそれぞれの道を歩むという発展的解消だったわけですが、ファンの多くはそれを見たかったわけでなく、むしろ絶望的なラストととらえる人も少なくなかったわけです。一部の熱狂的ファンからはOVAはなかったこと。……そこまで言う人もいます。

 筆者も笑顔の凱旋パレードで終わったTV版最終回を見るたび、なんであんなOVAになったのだろうか? と疑問を感じずにはいられません。

『勇者王ガオガイガーFINAL』画像はDVD Vol.3(ビクターエンタテインメント)

望んだ続編がゲームになることも?

 続いては『機動戦艦ナデシコ』(1996年10月1日〜1997年3月25日)です。当時はアニメ雑誌でも多く取り上げられ、一般層にも話題になった作品でした。その続編として公開されたのが劇場版『機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』(1998年8月8日)です。

 TV版では難解なSF要素や重厚なドラマをギャグ風味で包み、ラブコメ要素を中心にしたバランスの良い作品でした。そこから見ると、劇場版はかなりシリアス寄りで、プロデューサーからTV版にはないシビアな内容を求められていたそうです。

 その結果、TV版で主役だったテンカワ・アキトとミスマル・ユリカは脇に回り、人気の高かったホシノ・ルリが劇場版では主役になりました。さらに劇場版は、このアキトとユリカの墓前からという衝撃的な展開から始まります。

 最終的にはアキトもユリカも生きていましたが、ハッピーエンドとは言いがたい最後を迎えました。その結果は、やはり明るいTV版を支持していた層には受け入れがたいものだったと思います。

 ちなみにゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズでの扱いに、ファン心理が出ているかもしれません。なぜなら『スパロボ』で本作が参戦している場合、劇場版ラストが明るい未来を示すような方向に修正されていることが多いからです。原作で不幸なラストを迎えた作品が改変されることの多い『スパロボ』のスタンスを考えると、ファンの多くはハッピーエンドを望んでいたのでしょう。

 最後は今でも高い人気を誇る『勇者王ガオガイガー』(1997年2月1日〜1998年1月31日)。続編はOVA作品の『勇者王ガオガイガーFINAL』(2000年1月21日〜2003年3月21日)です。

 しかし、前述した2作品ほど辛らつな評価は得ていません。ラストシーンで地球に帰還できないという絶望的な状況になっていますが、ファン的には「彼らなら奇跡の力で帰ってくる」という安心感があるからでしょう。それだけ作品内でも絶望的状況を何度もひっくり返している実績があるわけです。

 実はこのラストには事情がありました。本来なら帰還後の戦いまで描く予定だったものが、内容の濃さに途中までとなったそうです。当然、その後も描かれる予定でしたが、続編の企画は成立しませんでした。この幻の続編を再スタートしたのが、小説『覇界王〜ガオガイガー対ベターマン〜』だそうです。

 最近ではマンガ版も発表され、ゲーム『スパロボ』の参戦で声と絵も見られるようになりました。何でも作中の設定年に現実が追いついてしまったことからアニメ化を断念したそうですが、ファンとしてはアニメで最後まで見たい作品ではないでしょうか?

 以上が筆者的に続編のラストが心に引っかかったアニメ作品です。『ガオガイガー』に関してはいまだにさらなる続編を期待しているのですが、皆さんはどう思われますか?