有名アニメ作品の重要キャラを演じる男性4人

 今年2022年4月29日から円谷プロダクションの動画配信サービス「TSUBURAYA IMAGINATION」にて、『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』が世界最速先行配信されています。先立って、作品に登場するウルトラマン役の声優が何人か発表になりましたが、このキャスト陣にについて「とある」関連性が話題になったことはご存じでしょうか?

 本作は「ウルトラギャラクシーファイト」(以下、UGF)シリーズの3作目。「UGF」とは、ネット配信を目的としたシリーズで、国内だけでなく海外もターゲットとして製作されています。そのため、人間の俳優を使わない仮面劇になっており、海外で視聴する際の違和感を払拭しています。

 この部分からでもわかりますが、「UGF」での声優は非常に重要なポジションになっています。基本的にこれまでは原典であるもとの作品でウルトラマンに変身する役者が演じていましたが、3作目の本作から昭和世代のウルトラマンたちの声の一部は声優とバトンタッチしました。

 そのキャスト陣は、以前から昭和のウルトラマンを担当していたのがゾフィーの武内駿輔さんと、ウルトラマンタロウの森久保祥太郎さん。これにウルトラマンを櫻井孝宏さん、ウルトラセブンを東地宏樹さん、ウルトラマンジャックを三木眞一郎さん、ウルトラマンエースを関智一さん……というキャスティングが加えられます。

 この新しく加わった4人のウルトラ兄弟を見て、筆者はいわゆる「イケボ」で豪華なキャストだ……と思うと同時に、声優の並びに思い浮かぶものがありました。そして数秒後、共通項を思い出します。それは全員、現在放映中のTVアニメ作品『ダイの大冒険』のメインキャストだということでした。

 主人公ダイの先生にして前勇者のアバンの声をつとめる櫻井さん、伝説の名工と言われ剣の達人でもあるロン・ベルク役の東地さん、オリハルコンの身体を持った兵士ヒム役の三木さん、そして魔軍司令ハドラー役の関さん……作中でも屈指の力量を持ち、戦士としての矜持(きょうじ)を持った4人です。

 この4人の声優の共演は他にもあるかもしれませんが、筆者が思いついたのが『ダイの大冒険』でした。ちなみに、関さんが演じるエースの声のオリジナルは納谷悟朗さん。この納谷さんの声質に近い声が出ることから、関さんは一部のキャラを引き継いでいました。すなわち、今回のエースを担当したのにはそういう意味もあったのでしょう。

『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』には、『ウルトラマンUSA』で登場した3人のウルトラマンも参戦。画像は『ウルトラマンUSA』Blu-ray(バンダイナムコアーツ)

近年のウルトラ作品では、ウルトラマンが「よく話す」傾向に

 他にも、声優関連で気になることがありました。それは、1989年に公開して以来の本格的参戦となった、日米合作劇場版アニメ『ウルトラマンUSA』に登場する3人のウルトラマンたちが『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』に参戦することです。

 ウルトラマンスコットをオリジナルキャストである古谷徹さんが33年ぶりに演じるほか、ウルトラマンチャックにはてらそままさきさん、ウルトラウーマンベスには瀬戸麻沙美さんが担当することが発表されていました。

 この3人のウルトラマンの登場も十分に驚くべきサプライズなのですが、実は一部のファンが注目したのはベスの瀬戸さんの存在だったのです。これまでも何人かの女性ウルトラマンの声は声優が担当してきました。唯一、近年に製作されたウルトラウーマングリージョだけが、変身前の湊アサヒを演じた其原有沙さんが担当しています。

 他の女性ウルトラマンというと、ウルトラの母は三森すずこさん。ユリアンは戸松遥さん。ソラの潘めぐみさん……となりますが、ここにも意外な共通点が見られます。それは全員がプリキュアを演じたことがある声優でした。

 三森さんは『ヒーリングっど?プリキュア』の風鈴アスミ/キュアアース。戸松さんは『ハピネスチャージプリキュア!』の氷川いおな/キュアフォーチュン。藩さんも『ハピネスチャージプリキュア!』の白雪ひめ/キュアプリンセス。そして、新たに加わった瀬戸さんは『トロピカル?ジュ!プリキュア』の滝沢あすか/キュアフラミンゴです。

 戦うヒロインという点ではウルトラウーマンもプリキュアも近しい存在ですから、演技もまた共通する部分が多いのかもしれません。

 本来なら実写特撮作品である『ウルトラシリーズ』は、素顔で登場する俳優が中心でした。しかし、最近ではウルトラマンもよく話すようになり、その声として役者だけでなく声優の存在も大きなものになってきたと思います。さらに「イケボ」という言葉も広く使われるような時代ですから、これからはウルトラマンを演じる声優にもますます注目が集まるかもしれません。

 演じたキャラのパターンの幅が広い声の世界ですと、俳優以上に他の作品とつながりにくいもの。筆者もこれまで以上に声優の勉強をしつつ、「この声のキャラにはこんなつながりがある」……といった方向性にも楽しんでいこうと思います。