ガンダムシリーズで初めて変形シーンを披露した機体

 TVアニメ『機動戦士Zガンダム』には数多くのモビルスーツと可変モビルアーマーが登場し、ファンを楽しませていました。今なお高い人気を誇る機体たちのなかから、今回はパプテマス・シロッコ旗下の独立勢力「ジュピトリス」が運用した機体を振り返ります。

●PMX-000 メッサーラ

 10話で初登場したPMX-000 メッサーラは、木星資源採掘艦「ジュピトリス」の艦長であるパプテマス・シロッコが設計・開発した試作型可変モビルアーマーです。木星の高重力圏での使用を想定しているため大型のスラスターユニットを装備しており、全高は30.3メートルとガンダムMK-IIの18.5メートル、リック・ディアスの18.7メートルと比較して1.5倍以上の大きさとなっています。

 ガンダムシリーズで初めてモビルスーツ形態への変形を披露した機体でもあり、作中ではモビルスーツと比較した際の巨大さがしばしば演出されているのも印象的です。

 武装はメガ粒子砲、9連装ミサイルポッド、グレネードランチャーをそれぞれ2門装備するなど強力な火力を保有しており、11話でジャブローへの降下を試みたエゥーゴのモビルスーツ隊に攻撃を仕掛けた際には、シロッコの高いニュータイプ能力と操縦技術も相まって、2機のジムIIを同時に破壊する離れ業(わざ)を披露しています。

 モビルスーツ形態でもエマ・シーン中尉の搭乗するリック・ディアスの右腕をビーム・サーベルで切り落とすなど、高い戦闘力を発揮しエゥーゴのパイロットたちを苦しめたメッサーラですが、41話を最後に登場しなくなり、最終的にどうなったのかは不明ですが、おそらくはジュピトリス爆沈の際にともに消滅したものと思われます。

●PMX-001 パラス・アテネ

レコア・ロンドが搭乗し圧倒的な火力を見せつけた「パラス・アテネ」。画像は「HGUC 1/144 PMX-001 パラス・アテネ (機動戦士Zガンダム)」(BANDAI SPIRITS)

 PMX-001 パラス・アテネは対艦戦闘を指向した重火力モビルスーツです。バックパック両側面に接続されているムーバブル・シールドには対艦大型ミサイル8発を搭載。さらに二連ビーム・ガンとグレネードランチャー、拡散ビーム砲4門、メガ・ビーム砲2門、専用シールドに内蔵された40発の小型ミサイルなど、同世代のモビルスーツのなかでも突出した火力を備えています。しかし機体の大型化に伴い運動性や機動力の低下を招いてしまい、より小型のモビルスーツとの近接戦闘では不利とされています。

 作中では28話で塗装前の前で初登場しましたが、実戦への参加は45話からとなっています。レコア・ロンドがメインパイロットとして搭乗しドゴス・ギアの撃沈に成功していますが、それ以外に目立った活躍はなく、49話でエマのガンダムMK-IIと死闘を繰り広げて大破しました。

『Zガンダム』作中でも最強の一角を占める機体

●PMX-002 ボリノーク・サマーン

「ボリノーク・サマーン」は索敵・偵察用の機体だが、十分な戦闘能力も備えていた。画像は「機動戦士Zガンダム Ka signature × ROBOT魂 SIDE MS ボリノーク・サマーン」(バンダイ)

 PMX-002ボリノーク・サマーンはシロッコがジュピトリスで設計・開発を行ったPMXシリーズの2番機です。まるで熊のような外見をしているため、名前の由来は「もりのくまさん」となっています。

 高濃度ミノフスキー粒子内での索敵・偵察用の機体であり、従来の偵察機よりも高度な情報処理システムを装備しています。危険要素や敵機の行動パターンを分析し、僚機への伝達が可能となっています。武装はシールドに装備されたメガ粒子砲「ビーム・ガン」を2基装備しており、取り出すことでビーム・トマホーク及びビーム・サーベルとしての使用が可能となっています。

 両肩部にはグレネード(炸裂弾)ランチャーが合計6発、近接戦闘用として右腕にクロー・シールドが搭載されていますが、ジュピトリス製のモビルスーツとしては比較的軽武装です。これは本機がジ・Oやパラス・アテネと連携し、前衛斥候として運用する意図で設計されたためと思われます。

 作中では44話からサラ・ザビアロフがメインパイロットとして搭乗しましたが、最終的にはカツ・コバヤシのGディフェンサーの攻撃からシロッコを庇い、撃墜されました。

●PMX-003 ジ・O

パプテマス・シロッコの専用機として開発された「ジ・O」。画像は「MG 1/100 PMX-003 ジ・O」(BANDAI SPIRITS)

 シロッコが自身の専用機として設計・開発を行なった重モビルスーツが「PMX-003 ジ・O」です。名前の由来は「theology(神学)」とされており、シロッコが自らを神となぞらえていることが見て取れます。全高は28.4メートルとモビルアーマーであるメッサーラに匹敵するほどの大きさとなっており、Zガンダムの18.7メートルと比較しても10メートル近い差があります。

 しかしながら推力はメッサーラの96000kgを上回る135,400kgとなっており、また、50基の姿勢制御バーニアが全身に装備されており、高い機動力と運動性を持つ機体に仕上がっています。

 クワトロ大尉が「ジュピトリスの達磨」と称したように重厚な外見となっており、装甲も十分備えられていますが、内部にプロペラントなどが装備されているため、見た目ほどの重装甲ではなく、あくまでも機動性重視の機体となっています。

 武装は大型ビームライフルとビームソードが4振りと同世代のモビルスーツと比較すると軽武装ですが、フロントスカート内部にサブマニュピレーター「隠し腕」が備えられており、ビームソードを用いての奇襲攻撃に使用されます。また、設定上は胸部上のスラスターの外側にバルカン砲らしき装備が存在していますが、アニメ本編で使用されたことはありません。

 作中では終盤にシロッコの専用機として登場し、Zガンダムや百式、ハマーン・カーンのキュベレイなどと激闘を繰り広げました。最終的には超常的な力を発現したカミーユ・ビダンとZガンダムにより操縦不能となり、ウェイブライダーに変形したZガンダムの突撃を受けてコクピットを破損、シロッコも戦死しました。