髪型から見えてくるキャラクターの変化

 マンガに登場するキャラクターは、あまり年をとらずファッションや髪型にも大きな変化がないというイメージもあります。しかし、自分の不甲斐なさを反省したり、何かを決心したりしたときに思い切って髪を切るエピソードも見られます。

 今回は「週刊少年ジャンプ」の人気作品から作中で髪型が変わるキャラと、そのきっかけになった出来事を紹介します。

●リーゼントから坊主になった理由は責任を感じたから? 『SLAM DUNK』桜木花道

 2022年秋に新作アニメーション映画の公開も控える『SLAM DUNK』の主人公、桜木花道は作中で髪型が大きく変わっています。中学時代は不良だった花道は湘北高校バスケ部に入部した当初は、赤毛のリーゼントが印象的なキャラクターでした。彼の髪型が変わったきっかけは、強豪・海南大附属戦での出来事です。

 インターハイ予選・決勝リーグ1回戦の試合終盤、残り5秒で海南と2点差だった湘北。しかし、花道のパスミスによってそのまま惜敗となってしまいます。いつもは自信過剰なお調子者の花道もショックのあまり学校を休みますが、流川との喧嘩によって吹っ切れた花道は心機一転、坊主頭となるのでした。

 たびたび自分のことを「天才」と豪語する花道でしたが、根は真面目であることを感じさせられるエピソードです。

●作中でも特に髪型が変わるキャラクター 『D.Gray-man』のリナリー

 悪性兵器AKUMA(アクマ)とその製造者である千年伯爵と、エクソシストたちの戦いを描いた『D.Gray-man』。そのヒロインであるリナリー・リーは、登場人物のなかでも髪型の変化が多いキャラクターです。

 初登場時は長い黒髪をツインテールにしていたリナリーでしたが、レベル3のAKUMA・エシを前に決死の一撃を繰り出した反動で、髪が焼け落ちてベリーショートになってしまいます。そこから少しずつ髪が伸び、ショートからボブ、セミロングと髪型の変遷が見られます。

 そんなリナリーは、ファンの間で「どの髪型が特にかわいいか」議論が起こることもしばしば。あらためてリナリーの髪型の変遷に注目しながら読んでみると、新たな発見があるかもしれません。

主要キャラの髪型が変わった理由が語られている 著:芥見下々『呪術廻戦 公式ファンブック』(集英社)

「主人公と似てるから」「意中の相手の好みと勘違い」という理由も

●理由は「主人公と髪型が被っていたから」 『呪術廻戦』狗巻棘

 ジャンプ本誌での怒涛の展開も話題を呼んでいる『呪術廻戦』。本編の前日譚となる『劇場版 呪術廻戦0』の原作となる短期集中連載『東京都立呪術高等専門学校』にも共通して登場するキャラクター、狗巻棘(いぬまき・とげ)は髪型が大きく変わっています。

『東京都立呪術高等専門学校』では短めのツンツンヘアーでおでこを出していた狗巻でしたが、本編のアニメ版では前髪が目にかかるかどうかまで伸びたマッシュっぽいヘアー。ここまで大きく髪型が変わった理由について、作者の芥見下々先生は公式ファンブックにて「(本編の主人公である)虎杖と被らないように髪型を変えた」と語っています。続けて「美少年ポジションみたいな部分が出ていたのかも」とも述べており、狗巻のイメージが髪型によって大きく変わっていることについても触れていました。

 また、同様の理由で『東京都立呪術高等専門学校』の主人公・乙骨の髪型も、本編のメインキャラクターでもある伏黒と被らないよう前髪センター分けへと変更されています。それぞれ表情や髪型に微妙な違いはありますが、後ろ姿ではあまり区別がつかないところからも変えようと思われたのかもしれません。

●決意して髪型を変えたのに……『ドラゴンボール』ビーデル

『ドラゴンボール』の主人公・悟空の息子・悟飯のガールフレンドであるビーデルも、作中で髪型が大きく変わったキャラクターのひとりです。

 ビーデルはもともとふたつにくくったロングヘアーでしたが、「ショートヘアにした方がいい」という悟飯のアドバイスをもとに思い切って髪をバッサリ切ります。しかし後に夫になる悟飯は当時はまだビーデルを異性として見ておらず、単純に「短い方が動きやすくて修行に向いているから」という理由によるアドバイスでしかありませんでした。それを知ったビーデルは激怒。恋するビーデルの乙女心が垣間見える、かわいらしいエピソードです。

 決意や勘違い、キャラの区別など、さまざまな理由で髪型が変わったキャラクターたち。髪型の変化とエピソードに注目すると、ますますキャラの魅力がわかるかもしれません。