本編の敵が、学パロではまさかの同級生?

 次々と登場人物たちが死んでしまう、殺伐とした作品では、公式で学園パロディ(通称:学パロ)をスピンオフとして発表するケースが見られます。学パロでは、凄惨な最期を迎えたキャラが生き生きと学園生活を送っていたり、本編での設定がギャグ要素として描かれていたりと、緊迫感や悲しみを忘れて楽しめるのも魅力のひとつ。

 今回はそんな本編とのギャップも面白い公式の「学パロ」作品を紹介します。

●もし『進撃の巨人』の登場人物(巨人含む)が同じ中学校に通っていたら……『進撃!巨人中学校』

 人間を食らう巨人との壮絶な戦いを描いた『進撃の巨人』の公式学パロ作品は、巨人を含む登場人物たちが同じ中学に通うという衝撃的な設定の『進撃!巨人中学校』です。本編の主人公・エレンは母親を食べられたことから巨人を憎悪するようになりますが、『進撃!巨人中学校』では大好きなチーズハンバーグが入った弁当を超大型巨人に奪われたことがきっかけです。

 また、主要キャラクターのアルミンは元引きこもりキャラゆえに布団やジャージを被ったまま日常生活を送っていたり、人気キャラクターのリヴァイは本編同様潔癖症で常に校内の清掃をしていたりと、殺伐とした本編の雰囲気が嘘のよう。

 それでいてアニメ版のオープニング主題歌は本編と同じLinked Horizonが担当しており、パロディであっても一切手を抜いていません。いわば「クオリティの無駄遣い」でもある学パロをチェックしてみてはいかがでしょうか。

毎年新キャラが登場する公式の学パロ「学園文豪ストレイドッグス」ビジュアル (C)朝霧カフカ・春河35/KADOKAWA/文豪ストレイドッグス製作委員会

本編では悪逆非道を尽くしたキャラも、学パロなら単なる問題児に

●毎年恒例のエイプリルフールネタ「学園文豪ストレイドッグス」

 実在する文豪をモチーフにしたキャラクターたちの熾烈な異能力バトルが見どころの『文豪ストレイドッグス』は、毎年エイプリルフールに学パロとなる「学園文豪ストレイドッグス」のアニメを公開しています。

 本編の主人公・中島敦は自殺しようとしていた太宰治を助けたことから異能集団・武装探偵社に出会いますが、「学園文豪ストレイドッグス」では学園の裏仕事を行う「武装生徒会」の一員となります。

 そして本編では嫉妬のような感情から敦に敵意を向けていた芥川龍之介は、学パロでは肺を患っている設定を引き継いで「保健室の貴公子」と呼ばれていたり、探偵社の寮で敦と同室に住んでいる美少女・泉鏡花はご近所さんになっていたりと、設定が上手く生かされているのもポイント。毎年新たなキャラクターが登場しており、推しキャラがどのような形で登場するのか楽しみにしているファンも多いそうです。

本編では激しいバトルを繰り返しているからこそ、制服姿はもちろん、平和な日常を送っているキャラたちのギャップがたまらないのかもしれませんね。

●鬼殺隊も鬼も、平和で楽しい学園生活!『中高一貫!! キメツ学園物語』

 国民的大ヒット作『鬼滅の刃』は、鬼との戦闘で主要キャラが命を落としたり、鬼の残忍な振る舞いが描かれたりと、ハードな展開が多い作品です。

 しかし単行本の各巻末や各話のおまけページなどで描かれている学パロ『中高一貫!! キメツ学園物語』は、本編の雰囲気を一切感じさせない平和な作品として人気を獲得しています。その理由は、善逸が髪色を理由に体育教師の義勇に引っ叩かれたり、禰豆子が竹の代わりにフランスパンを丸々1本くわえて学校に通っていたりと、本編の設定をユニークに描いている点にもあるでしょう。

 また、炭治郎たち鬼殺隊を苦しめる鬼たちも、それぞれ教師や生徒のひとりとして登場します。「遊郭編」の敵キャラだった妓夫太郎と堕姫は学園随一の問題児の兄妹となっており、平和な世界に生きる様子が描かれました。

 本編では悲しい運命を辿ってしまったキャラクターが、私たちと同じような日常を送る姿を見られるのが学パロの素敵なところです。怒涛の展開に「面白いけど、心がざわついてしまう」と思ったら、公式の学パロを見てみるのもおすすめです。

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記