変形なしで大気圏内飛行が可能なモビルスーツ

●RX-160 バイアラン

「RX-160 バイアラン」は、大気圏内を単独かつ可変機構なしで飛行可能なモビルスーツとして、キリマンジャロ基地で開発されました。大気圏内用の熱核ジェットエンジンと機体各所に装備された大推力スラスターを搭載し、さらに徹底的に軽量化が施されたことにより、飛行能力と高い機動能力を獲得しています。

 熱核ジェットエンジンをロケットエンジンに換装することにより宇宙空間にも対応できる利便性を兼ね備えていますが、推進剤の搭載量は限られており、航続距離や飛行可能時間が短いという問題点を抱えています。

 武装については、もともと試作機であることと機動性能を重視したためか、メガ粒子砲2門とビーム・サーベル2基にとどまっています。しかしながらメガ粒子砲の出力は4.7MWと、マラサイやハイザックが装備するBR-87Aビーム・ライフルの出力2.2MWと比較して倍以上あり、十分な破壊力を備えています。

 本編では36話に初登場し、試験中の機体にジェリド・メサが乗り込みカミーユ・ビダンのZガンダムと交戦しています。その際にカミーユを庇ったフォウ・ムラサメのサイコガンダムの頭部をビーム・サーベルで貫き撃墜しました。

 その後もジェリドは本機を使い続け、45話では長くレギュラーパイロットとして活躍していたアポリー・ベイ中尉のリック・ディアスを撃墜しています。これまでカミーユ相手に苦杯をなめ続け、戦場で大切な人間を失い続けてきたジェリドが、ようやくカミーユへの復讐を成功させた機体として、バイアランは重要なポジションを占めています。なお、ジェリドが後にバウンド・ドックに乗り換えたため、この機体の行方は不明のままです。

 また『機動戦士ガンダムUC』では、ジオン残党軍によるトリントン基地攻撃の際に出動し、主に滞空能力向上のカスタマイズを受けたバイアランが迎撃を行いました。飛行能力を生かして多数の撃墜を記録しています。「空を飛べる」というコンセプトがどれほど絶大な効果を発揮するかを示した重要なシーンとして、バイアラン・カスタムの活躍は記憶されることでしょう。

バーザムはティターンズ最後の量産機だったが、作中では目立った活躍が描かれなかった。画像は「HGUC 機動戦士Zガンダム バーザム 1/144スケール 色分け済みプラモデル」(BANDAI SPIRITS)

遅れてきたティターンズの量産機

●RMS-154 バーザム

「RMS-154 バーザム」はティターンズがニューギニア基地で開発した量産型モビルスーツです。グリプス戦役当時はニュータイプや強化人間が操縦するエース専用機が持つ圧倒的な戦闘力が着目されており、高性能機の開発に大きな力が注がれたため、ティターンズが運用可能な量産機は旧式機のジムIIやアナハイム社製のハイザックとマラサイとなっていました。

 バーザムはそれらの機体よりも高性能、かつ汎用性に優れた機体として開発されており、装甲材にガンダリウム合金を使用し、ガンダムMK-IIで使用されたムーバブルフレームを骨格に採用、フレキシブルな機体運用が可能となっています。

 武装についてはエネルギー供給式の専用ビーム・ライフルが主兵装となっていますが、従来の機体が使用していたカートリッジ式のビーム・ライフルの使用も可能とされています。ビーム・サーベルは2基を装備、作中では未登場のグレネードランチャーも設定されています。

 そして特筆すべき装備が、頭部バルカンを外付け装備としたバルカン・ポッド・システムです。形状こそ異なりますが同種の装備は作中でガンダムMK-IIのみが運用しており、ムーバブルフレームの採用もあわせて、本機はガンダムMK-IIの後継機として位置づけられています。

 作中では35話で初登場し、ティターンズの新型機としてアレキサンドリアに配備されているのが確認できます。この回ではヤザン・ゲーブル率いるハンブラビ隊につき従う形でバーザム隊も出撃していますが、Zガンダムに狙いを定めたヤザンから「バーザムは他をマークしろ!」と命令を受けて、その後は登場することはありませんでした。

 以降も各所での戦闘にしばしば顔を見せますが目立った活躍はなく、名有りのエース・パイロットが搭乗したことがない機体として、逆に有名になった不遇な機体として知られています。