プレイヤー目線で衝撃! いくらなんでも身勝手過ぎる?

『ドラゴンクエスト』シリーズで冒険を進めていくうえで、人との会話は必要不可欠なものです。その会話のなかで重要な情報を得ながら、ストーリーは進んでいきます。主人公たちの冒険は大勢の人たちのサポートによって成り立つものですが、なかには憎たらしいほどイラっとさせられるセリフを発した人物も存在しました。

『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』では散々たらい回しにされたあげく、頭にくるセリフを聞かされる場面があります。

 冒険の序盤、主人公のローレシアの王子は既に冒険に旅立ったサマルトリアの王子との合流を目指します。サマルトリアの王様から得た情報をもとに「勇者の泉」を目指しますが、そこにサマルトリアの王子の姿はなく、彼はすれ違いでローレシアの城に向かったあとでした。

 仕方なく故郷ローレシアの城に戻るはめになりますが、またもやすれ違いが発生。王子はサマルトリアへ戻ったとのことで、再びサマルトリアの城へと向かいます。

 主人公はお城に直行したものの、そこに王子は戻っておらず。結局、リリザという小さな街の宿屋でくつろいでいるサマルトリアの王子を発見し、合流を果たすことになります。

 ようやく見つけたと思いきや、サマルトリアの王子からは「いやー さがしましたよ」と言われる始末。さんざん振り回されたあげく、のんびり宿屋で休憩していたヤツに言われたこのセリフに、イラッとした人も多いはず。思わず「こっちのセリフだよ!」とツッコみたくなったシーンでした。

 続いて『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』のレブレサックという村では、嫌というほど腹の立つセリフを聞かされることになります。

 このレブレサックでは、仲間と一緒に魔物討伐に向かった神父が、魔物の姿に変えられてしまいます。それは、魔物が提案した「村を襲わない代わりに、神父自身が魔物の姿で村で暮らす」という条件を、神父が受け入れたために起こりました。つまり神父は村を守るために、自分が犠牲となる道を選んだのです。

 一方、村人たちは謎の魔物が教会に住みついたことに怯えます。魔物の姿になった神父はしゃべることができないため、誤解も解けず、教会に閉じこもりました。

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イラっときた、姑息な手のひら返し

 外見は魔物の姿であっても、中身は神父です。村人を襲ったりするはずもなく、明らかに普通の魔物とは異なる存在でした。しかし、レブレサックの村人はそんなことはお構いなしに、魔物の姿をした神父を殺してしまおうと企てるのです。

 いろいろあって主人公たちは神父が魔物の姿になった経緯を知り、諸悪の根源である魔物を退治して村に戻りますが、そこでは魔物姿の神父がはりつけにされ、焼き殺されそうになっていました。

 慌てて主人公たちが割って入ると、魔物の呪いが解けた神父の体は人間の姿に戻ります。そして神父が村を守るためにとった献身的な行動を知った村人は、自分たちが行った過ちを反省します。

 村人に暴行を受け、一番の被害者だった神父は一命を取り留めますが、自分の姿を見るたびに村人が悔いて辛い思いをするだろうと、自ら村を出ていきます。この悲しい事件を受け、レブレサックの村長は二度とこんな過ちを繰り返さないために、広場に石碑を立てることを決めました。

 その後、石碑を作っている村人たちと会話ができますが、あるおばさんは「あたしゃはじめっからわかってたよ。あの魔物が神父さまだって」と発言します。もちろんこのセリフは完全に嘘で、神父が魔物の姿だった頃は「あんなやつ、さっさと男どもがやっつけちまえばいいんだよ」と言っていました。

 ただでさえ胸糞の悪い村人たちの言動ですが、このあからさまな手のひら返しのセリフに、多くのプレイヤーが気分を害したことでしょう。

『ドラクエ』の世界において魔物たちはやっかいな存在ですが、こうして振り返ってみると人間の発した心無い言葉にも不快感を覚えます。現代でもSNSなどでの誹謗中傷などが問題になっていますが、他人をイラッとさせる不用意な発言にはくれぐれも気をつけたいものですね。