知ってた? 仕様の穴を逆手にとった攻略法
『ドラゴンクエスト』シリーズは、エンジョイ勢からやりこみ勢まで、多くのファンを虜(とりこ)にしてきたRPGです。長い歴史のある作品だけあって、プレイヤーの間でさまざまな攻略法が確立されてきました。
そのなかには、想定外のバグや仕様の穴をついた意外な攻略法も見つかっているので、今回はそんな特殊な戦法についてご紹介します。
最初に紹介するのは、「におうだち」という特技を有効活用する「におうだち戦法」です。
「におうだち」とは、『ドラゴンクエストVI 幻の大地』で初登場した技で、仲間が受けるダメージを特技使用者が肩代わりするという効果があります。ただし、味方全員にダメージを与える全体攻撃を使われると、パーティ全員分のダメージを一身に受けるため、即座に戦闘不能になる危険性があります。
しかし、『ドラクエ6』で「におうだち」を使用するキャラが、「はぐれメタル」の職業をマスターすることで絶大な効果を発揮します。職業「はぐれメタル」をマスターすると、「HP+100、すべてのブレス技、呪文無効」という特典がつき、これが「におうだち」と相性が抜群です。
本来は味方全員にダメージを与えるブレスや呪文ですが、はぐれメタルのマスター特典を持つキャラが「におうだち」を使ってすべてを受けとめればノーダメージとなります。育成にかなりの時間がかかりますが、この組み合わせを実現できれば、ほとんどの攻撃を耐えしのぐ要塞と化します。
次に「少数精鋭戦法」を紹介します。実は『ドラクエ』シリーズのなかには、少数に戦力を集中させたほうが攻略しやすい敵が存在します。
その代表的な例が、『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』に登場する「ブオーン」です。ブオーンは全体攻撃の「はげしいほのお」や「いなずま」を多用し、多くのプレイヤーを苦しめてきた強敵です。
全体攻撃が強力なブオーンに対抗するには、パーティ全員の戦力を底上げするのが基本ですが、逆に1人に戦力を集中させるという戦法が効果的です。
その方法は、まず耐性の優れた仲間に「きせきのつるぎ」「ようせいのけん」「てんくうのつるぎ」といった装備を持たせます。そして道具として使うとスカラの効果がある「ようせいのけん」で自身の守備力を上げ、「てんくうのつるぎ」による「いてつくはどう」の効果で、敵のスカラを解除していきます。
さらに、こちらの攻撃は回復効果のある「きせきのつるぎ」で行うと回復アイテムもかなり温存でき、強敵のブオーンが相手でも楽に倒すことができるのです。
ただし、戦闘不能になった仲間を蘇生する余裕はなく、仲間に経験値が入らないため、どうしても倒せない場合の最終手段として試してみると良いかもしれません。

バグ技で予想外のキャラが大活躍?
最後にDS版『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』に存在する、バグを活用した攻略法をご紹介します。人気マンガ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』に登場した「時間を停止させる技」にあやかって、一部ファンの間で「凍れる時間の秘宝」などと呼ばれている戦法です。
これは「いてつくはどう」を使用する敵に対して有効な裏技で、とくにボス戦のときに大活躍します。
こちらがアストロンを使用すると、味方全員が行動できなくなるかわりに敵の攻撃を無効化します。リメイク版の『ドラクエ4』では敵の「いてつくはどう」でアストロン状態が解除させられますが、DS版の場合、アストロンを解除された後に行動順が回ってきた味方キャラが行動できます。
そしてこのとき、道具を使用する指示を与えていた場合、アイテム欄の一番目の道具を強制的に使用するバグが発生します。しかも、トルネコがアイテム欄の一番目に「せかいじゅのは(世界樹の葉)」があった場合、一定の確率でトルネコが「たいあたり」の行動をとります。
それも敵のHPの約95%のダメージを与えるという、恐ろしく強烈な「たいあたり」になるので、この攻撃が当たればボスだろうと楽勝で倒すことが可能でした。
仕様の穴をついたり、バグを活用したりする特殊な戦法は、このほかにもいろいろ存在します。最初に誰が見つけたのかは分かりませんが、『ドラクエ』のプレイヤー人口の多さや、愛され具合が感じられる部分でもありました。