『ドラクエ3』のリメイク版にのみ登場する裏ボスの存在

「ドラクエ」シリーズは、1986年にエニックス(現:スクウェア・エニックス)から発売された初代『ドラゴンクエスト』から始まり、『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』の順でナンバリング作品が登場しました。

 この『ドラクエ4』まではファミコンでリリースされましたが、その後スーパーファミコンやPlayStationといった次世代ハードが誕生したこともあり、「ドラクエ」シリーズのリメイク版が別ハードで発売されることに。

 ハード面の性能の進化もあって、グラフィックなどが美しくなっただけでなく、リメイク版独自の新要素が追加されたタイトルもありました。そこで今回はリメイク版に実装された裏ボスや新ストーリーなどの追加要素に注目して振り返ります。

『ドラクエ3』のリメイク版は、1996年にスーパーファミコン用のソフトとして発売されたのが最初です。ファミコン版はラスボスの大魔王ゾーマを倒してゲームクリアでしたが、リメイク版はゾーマ討伐後に開放される「隠しダンジョン」という新要素が追加されました。

 ゾーマ撃破後にセーブしたデータでゲームを始めると、勇者に「ゆうしゃロト」という称号が与えられます。その状態で「竜の女王の城」に向かい、城内北側にある光が漏れている部分に触れることで、隠しダンジョン「謎の洞窟」に向かうことができます。

 謎の洞窟を経て「ゼニスの城」に到着し、さらに「謎の塔」を進んでいけば、そこには裏ボス「しんりゅう(神竜)」の姿が。しんりゅうは天界を治める「竜の神」で、話しかけると「戦って勝負に勝てば願い事をひとつ叶える」という約束のもとでバトルに発展します。

 裏ボスだけあって、攻撃や守備、すばやさ、HPといったステータスがどれも高く、相当手強い相手です。そのうえ「イオナズン」「こごえるふぶき」「しゃくねつのほのお」といった強力な全体攻撃も繰り出してくるため、苦戦させられたプレイヤーも多いはずです。

 ちなみにしんりゅうを倒すと、「みごとだっ! この私を〇ターンで打ち負かしてしまうとは……」と撃破までにかかったターン数を教えてくれます。このターン数を教えてくれる仕組みは、『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』の「エスターク」や、『ドラゴンクエストVI 幻の大地』の「ダークドレアム」といった裏ボスと同様です。

ファミコン版『ドラクエ4』のラスボスは、『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』のDLCでは「魔剣士ピサロ」として参戦。この他にも、さまざまな作品に登場している

『ドラクエ4』のラスボスと共闘できる?

『ドラクエ4』は、ファミコン版で発売された「ドラクエ」シリーズのラストの作品です。その『ドラクエ4』のリメイク版は、2001年にPlayStation、2007年にニンテンドーDSにて発売されました。

 ファミコン版の『ドラクエ4』は全5章構成でしたが、リメイク版では全6章構成になっており、新たな章が追加されています。裏ボスも3体登場するため、オリジナル版をプレイした人も、十分遊びごたえのある作品でした。

 新たに追加された第6章は、『ドラクエ4』のラスボスである「デスピサロ」を討伐した後にプレイ可能で、「ゴットサイド」という町にある祭壇に大きな穴が開いてしまうことから物語が始まります。

 その大穴に飛び込んでダンジョンを進むと、最初の裏ボスである「エッグラ」と「チキーラ」と戦うことに。このふたりはモンスターではなく人間で、話しかけると「タマゴがえらいか、ニワトリがえらいか」という話題でケンカしており、なぜかそのままバトルに発展します。

 エッグラは強力なブレス攻撃、チキーラは物理攻撃を中心に行動しますが、たまにエッグラが死んだ仲間を蘇生させる「ザオラル」を唱えるので、非常に厄介な裏ボスです。戦いに勝利すれば世界樹に「せかいじゅのはな」が咲き、それを死んでしまったピサロの恋人・ロザリーに使って生き返らせることができます。

 その状態でデスピサロに話しかけると、ロザリーによってピサロだった頃の記憶を呼び覚まし、人の姿へと戻ります。こうしてピサロが仲間に加わり、最終的に真の黒幕である「エビルプリースト」討伐へと向かうのです。

 ファミコン版『ドラクエ4』では、恋人のロザリーを殺されたことでピサロは人間を憎悪し、自ら「進化の秘法」を施して怪物「デスピサロ」となりました。

 ラスボスとなったデスピサロは悲しい最期を迎えますが、リメイク版ではピサロの想いが報われる結末となっています。そのためプレイヤーからは「ピサロが幸せになってくれて嬉しい」「鬱展開からのハッピーエンドだからクリア後が清々しい」といった喜びの声もありました。

 ちなみにリメイク版の真のラスボスであるエビルプリーストは、5章で戦ったときとは別モノの強さです。第1〜第4形態まで計3回変身し、当然ながら最終形態の難易度が最も高くなっています。

 エビルプリーストには2回攻撃があり、「あやしいひとみ」によって眠らされたり、パーティ全体に大ダメージを与える「かがやく息」や「マダンテ」などを繰り出したりします。

 とても攻撃力の高いラスボスですが、プレイヤーからは「エッグラ&チキーラの方が苦戦した」「デスピサロ戦を経験してるから、そこまで苦労した印象はない」という感想も見受けられました。

「ドラクエ」シリーズにおけるリメイク版の追加要素は、すべてが歓迎されているわけではありません。たとえばリメイク版『ドラクエ4』の第6章のように、物語の結末まで変わったことについては、ファンの間でも賛否両論あったのも事実です。

 しかし、こうした厳しい声があがるのは、それだけ熱烈なファンが多く、期待されている証とも言えます。2021年に『ドラゴンクエスト3 HD-2D リメイク』の製作が発表されましたが、このリメイク版ではどのような変化がもたらされるのかも注目したいですね。