死んでも「なにごとだ!」で済む衝撃!

 1983年から1994年にかけて、ライセンス作品1053タイトルがリリースされたファミコン。その黎明期といえる80年台にリリースされたゲームは、トガったゲームや粗削りなゲーム、優れたセンスを感じさせるゲームなど、まさに玉石混交のおもちゃ箱という状態でした。そんな時代だったからこそ生まれた、衝撃的なフレーズを5つ紹介します。

●ドラゴンクエスト

 トップバッターはおなじみの国民的ソフト『ドラゴンクエスト』。敵に負けてラダトームのお城に強制送還された際に王様が言うセリフ「おお ●●(主人公の名前)! しんでしまうとは なにごとだ!」は今も強烈な印象を放ちます。

 いわゆる「メタ的」な発言でもありますが、そうであるにも関わらず「ゲームの世界観や雰囲気がぶち壊し」という声がほとんど見られなかったのは、全テキストを執筆した堀井雄二さんの文章センスや、鳥山明さんによる温かみのあるタッチのパッケージイラストやモンスターデザインあってのことでしょう。

 2016年にはシリーズ30周年を記念した書籍『ドラゴンクエスト名言集 しんでしまうとは なにごとだ!』が発売されており、書名を飾っているところにもその衝撃ぶりがうかがえます。

●弁償という概念を叩き込まれた『ゼルダの伝説』

 任天堂がファミコン ディスクシステムでリリースした本作は、「ゼルダ」シリーズの記念すべき1作目にして、すでに広大なマップを探索する楽しみが用意されていました。怪しい岩壁にはバクダンを置き、怪しい木にはロウソクで火をつける。正解のチャイム音とともに隠し洞くつに入る階段が現れたときの喜びは格別でした。

 しかし、いざ洞くつに入ってみると住人のおじいさんはカンカンで「ドアノ シュウリダイヲ モラウゾ」の言葉とともにルピー(お金)を強制徴収! 申し訳なく思うと同時にガッカリしたものです。初代『ゼルダ』は敵のはずのモリブリンが無条件でルピーをくれる「ミンナニ ナイショダヨ」が有名ですが、筆者にはこちらの方がショッキングでした。

 また、クリア後にプレイできるもうひとつの冒険(通称裏ゼルダ)では、「オカネカ イノチヲ オイテユケ」という、それ以上に極悪非道なおじいさんが登場しました。「イノチ」を選んでもゲームオーバーにはなりませんが、クリアまでに限られた数しか入手できないライフの最大値が上昇する「命の器」を差し出すことになるので、むしろゲームオーバーにされる方がマシなレベルでした。トホホ……。

堀井雄二さんが『ドラクエ』以前に手がけた『オホーツクに消ゆ』。奥にいる黄色いハイネックを着た女性がめぐみ

『オホーツクに消ゆ』のお色気シーンで放たれた衝撃的なフレーズ!

●バスタオルの下も捜査対象!『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』

 堀井雄二さんが『ドラクエ』より前にリリースしたPC用アドベンチャーゲームの移植作です。ファミコン版はキャラクターデザインをマンガ家/イラストレーターの荒井清和氏が手がけ、より親しみやすくなりました。

 連鎖殺人事件の調査を進めるとバスタオル姿の女子大生・めぐみとばったり会うシーンがあり、ここで部下のシュンに「なにか とれ」→「めぐみのバスタオル」と指示すると、彼から「何を考えているんですか!」という正論100%のお叱りをもらいます。

 そしてそのまま一定時間待つと「そんなに わたしのこと みつめて……。かわいそうだから みせてあげるね。」の言葉とともに、めぐみがバスタオルを取って魅惑の背中を見せてくれる……というお色気隠し要素がありました。

 これは後年知ったことですが、めぐみはあとから追加されたキャラで、移植元のPC版にはこの要素はなかったそうです。子供たちに大ウケだったファミコンで、あえてお色気を追求していくロックな姿勢にも衝撃です!

●怒ったら負け…なのかもしれない!?『たけしの挑戦状』

 ファミコンを代表するレベルのバカゲーである本作。クリアに向かうための明確な正解が用意されておきながら、やれることがあまりに多く、かつヒントが極端に少ないその在り様は「早すぎた昭和のオープンワールド」などと言われたりもします。

 攻略本を見ないとクリアは到底不可能……と言いますか、攻略本を見てもまだ難しいゲームですが、それでもなんとかクリアしてエンディングを迎え、そのまま一定時間待つと「こんな げーむに まじになっちゃって どうするの」という火に油を注ぐ隠しメッセージが表示されることで、一層の話題を呼びました(あまりよろしくない意味で)。

「理不尽なファミコンゲーム」をランキングにするなら、1位獲得の大本命と言える作品ですね。

●「踊り込む」という言葉を教えてもらった『魔洞戦記 ディープダンジョン』

 スクウェア(現スクウェア・エニックス)が提唱して複数のPCゲームメーカーによって設立されたディスクシステム用ゲームブランド「DOG」によるファミコン初の3DダンジョンRPGです。

 ダンジョン内に点在するゴミの山をあさって金目の物を探す、移動せずじっとしていても敵モンスターとエンカウントするなど、ユニークシステムが印象的な作品ですが、一番衝撃を受けたのはダンジョンの扉を開くたびに表示される「とびらを けりあけ なかにおどりこんだ。」でしょう。

 筆者の観測範囲では「手で開ける選択肢はないの!?」、「勢いがよすぎ!」と、ツッコミの対象になっていました。とはいえ、手に武器や盾を持っている以上、扉の向こうにいるかもしれない敵に備えるには蹴り開けるのがいいのかもしれません。

 カセットビジョンなどファミコン以前にも家庭用のゲーム機は存在しましたが、ファミコン発売直後もまだまだ過渡期だったとでもいうべきか、さまざまな意味でトガったゲームが見られました。みなさんはどのようなフレーズが印象に残っていますか?