流通アナリストの渡辺広明氏が「ビジネスパーソンの視点」から発信する「最新流通論」。今回のテーマは「ラムネ」。あの昔懐かしいお菓子が、2020年の今、「きている」というのだ。流通業界でラムネにスポットライトが当たっている現状を紹介する

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 お菓子のラムネがジワジワきています。

 特に森永製菓のラムネは、ブドウ糖が90%配合され、脳のエネルギー源としての栄養になるということで、入試シーズンを迎える受験生の集中力をアップすることがSNSで拡散され、二日酔いにも良いと話題にもなったため、ビジネスパーソンにも安定的に支持されています。周りのビジネスシーンでも食べている人を見かけ、ノスタルジーの要素もあり、私も原稿を書く時のお守りになりつつあります。

 ラムネ飲料として見覚えのある緑ケースに入ったラムネの姉妹品として粒が1・5倍大きいパウチ入りの「大粒ラムネ」の発売もあり、将棋の藤井聡太七段が対局中に食べていたことで、意図したものではないですが、映画やテレビドラマ、アニメなどに背景として商品が映り込む、プロダクトプレイスメントの広告手法と同等の効果が出ていて販売増に拍車をかけました。

 ラムネの進化は止まらず、ローソンではUHA味覚糖の「ラムネのサプリ」を3月17日に先行発売します。肌荒れが気になり、肌健康を維持したい時には「ビタミンC」、野菜不足の時には「マルチビタミン」、目が疲れ、目の霞や低下が気になる時は「ブルーベリー」の3種類が発売され、女性をターゲットにし美容と健康を意識した商品になっています。

 女性が持ち歩くものは「飴ちゃん」からグミに移行していますが、ラムネという新たな選択肢も増えそうです。

 ラムネとの出会いは、駄菓子屋にあったウサギとリスのパッケージの「クッピーラムネ」だった人が多いはず。そんなクッピーラムネがリップクリームを発売して話題になっており、ラムネ業界ではこのような変化球も盛り上げのひとつとなっています。

 入手困難なため、奈良県のふるさと納税返礼品として話題になったイコマ製菓本舗の「レインボーラムネ」は口溶けと食感の良さで話題となり、UHA味覚糖がレシピと製法を伝授して量産化を実現、直近では全国展開するに至っています。

 コンビニは袋飴から分離してグミ売場が確立されましが、この2〜3年でラムネ売場が出来てもおかしくない状況です。

 2020年はノスタルジー商品だったラムネがトレンドとなり話題が尽きない年となりそうです。

◆渡辺広明 マーケティングアナリスト。1967年生まれ、静岡県浜松市出身。コンビニエンスストアの店長、スーパーバイザー、バイヤーとして22年間、メーカーのマーケッターとして7年間従事。現(株)やらまいかマーケティング代表。商品開発700品の経験を活かし、顧問、講演、バラエティから報道までのメディア出演と幅広く活動。フジテレビ「Live News a」のレギュラーコメンテーター。