人口減少という言葉が定着して久しいが、いよいよ人口減少は本格化し始めてきた。令和3年の総務省発表の人口増減ランキングを見ると京阪神にとって衝撃的な結果となっている。まず人口減少数ワースト10を見てもらいたい。

1位 京都市  ▼11913人
2位 神戸市   ▼9208人
3位 北九州市  ▼8126人
4位 大阪市   ▼7766人
5位 名古屋市  ▼7512人
6位 江戸川区  ▼6384人
7位 広島市   ▼5668人
8位 長崎市   ▼5389人
9位 堺市    ▼5323人
10位 静岡市   ▼5217人

なんと1位・京都市、2位・神戸市、4位・大阪市、9位・堺市と関西勢が軒並みランクインしている。人口増減の推移を長らく見守ってきたが、令和元年まではワースト1位がせいぜいマイナス5000人、2〜10位は大体マイナス3000人程度で推移してきたが、令和2年の京都市マイナス8000人超えに続いて、令和3年はさらに大きく落ち込み、遂に人口では健闘していた大阪市までもがランクインしたことは衝撃だ。

最大の原因は急激な自然減

そもそもなぜこんなに急激に人が減り始めているのか。

人口増減はふたつの要素がある。ひとつは、死亡者数と出生者数の差し引きである「自然増減」、もうひとつは転入者と転出者の差し引きである「社会増減」である。基本的に原因は大別するとこのふたつしかない。こちらの自然減ワースト10をご覧頂きたい。

1位 大阪市 ▼12468人
2位 横浜市 ▼11438人
3位 札幌市  ▼9835人
4位 神戸市  ▼8026人
5位 京都市  ▼7094人
6位 名古屋市 ▼6760人
7位 北九州市 ▼5690人
8位 新潟市  ▼4441人
9位 静岡市  ▼4206人
10位 堺市   ▼3775人

「子ども生まれず人は去る」弱り目にたたり目の京都

こうして見ると、大阪市は日本一自然減が進んでいるのがよくわかる。しかし、一方で自然減が12468人であるにもかかわらず、全体の減少数は7766人に留まっている。この差は社会増で、ざっくり言うと亡くなる方が多い分の約4割を転入者によって補っているという見方が出来る。しかも、大阪の場合、コロナ禍によって母国に帰国した外国人や来阪しなかった外国人が多く、外国人の社会減が5185人を占めているという特殊事情もあってワースト4位になってしまった。

そう考えると、自然減の多さは今後の課題だが、それほど深刻ではない。一方で、神戸市や堺市の減少の大半は自然減で、正直止めようがないことと現状では転入者が増えないことからやや深刻だといえる。しかし、さらに厳しいのが古都・京都だ。京都市は自然減ワースト5のみならず、社会減も全国ワースト2、出生率は全国ワースト2で子どもは生まれず、転出者も多いという最悪の状況に落ち込んでいる。

これまで、人口減少問題は地方の過疎の話で語られることが多く、事実、地方では街の人口が9割減になったような都市もあり、そうした地域では自治体の存続が危ぶまれる状況に陥っている。それに比べると京阪神は恵まれていると言えるが、とはいえ、いよいよ大都市すらも人口減少問題と真摯に向き合い対策を講じないと生き残れない時代がやってきたといえる。特に自然減は突発的に解消できる問題ではなく、トレンドが概ね10年以上に渡って続くと見られ、厳しさは年々増していくことも付記しておかねばならない。

8割の自治体で人口が減り、2割の自治体で人口が増えると言われるが、京阪神はどちらの自治体になっていくのか、真価が問われている。

◆村山 祥栄(むらやま・しょうえい)前京都市会議員、大正大学客員教授。1978年京都市生まれ。専修大学在学中は松沢成文氏の秘書を務める。リクルートを経て京都市議に。2010年、京都党を発足。2020年2月の京都市長選で出馬も惜敗。現在は大正大学客員教授。