怪獣やヒーローを演じる職業「スーツアクター」「スーツアクトレス」。幼いころにヒーローショーを見て憧れた方も多いのではないでしょうか?その職業にスポットを当てたトークイベントがこのほど、京都の映画館「京都みなみ会館」で行われた。特集上映「超大怪獣大特撮大全集2020」の『ゴジラ モスラ キングギドラ  大怪獣総攻撃』(以後GMK)上映を記念して登壇したのはゴジラ役の吉田瑞穂さん、キングギドラ役の大橋明さん、婆羅護吽(バラゴン)役の太田理愛さん。そんな怪獣のお三方にこの職業の魅力を聞いた。

 「今の仕事ができるのは先輩方の仕事があったから」と語るのはゴジラ役の吉田さん。「若手の頃は身長が高いので戦隊のアカレンジャーを夢見ていましたが、悪役の仕事が合っていました」と語る。GMKのゴジラはとにかく破壊の限りを尽くす。「故・中島春雄さんらの動きを見て勉強しました。監督の指示や自分が思うゴジラの動きも取り入れました」。

 「キングギドラは筋トレでした」と語るのはアクション監督としても活躍する大橋さん。「ジャッキー・チェンなどに憧れて、デパートのヒーローショーなどで経験を積み『ガメラ2 レギオン襲来』などでも役をいただきました。キングギドラは3つ首。それを維持するのには苦労しました」。

 「何もかも初めて尽くしでした」と語るのはスーツアクトレスだった太田さん。「アルバイト情報誌を見てこの世界に飛び込みました。バラゴン役…当時は必死でした、怪獣の動きを知るために休憩中も研究しました」と語る。GMKではゴジラとの圧倒的な戦闘力の差に「見ていられない」というコメントが劇中であるほど倒されてしまう。

怪獣は体力勝負?

 特撮のスーツはアクター、アクトレスに合わせて作られる。吉田さんは「新しいゴジラに馴染むのは時間がかかり視野も狭いので自分で思う部分と実際に映る姿が違う時がありますよ」。怪獣になりきるために自ら「ガオゥッ、ギャオース」など怪獣の叫び声も発するという。3人は口を揃えて言う「この仕事に必要なのは体力ですね」。

 大橋さんは「映像技術の発達で出演する機会は減った」が、新作のおかげでこの仕事に注目されだしたのは嬉しいと語る。「この職業に就きたいなら自分がどのアクション/特撮をやっていくか目標を持つといい」と締めくくった。

 スーツアクター、アクトレスの仕事のおかげで世界も注目する特撮が育った。アツい闘いにはアツいスーツの中で闘う俳優がいることを考えながら作品を観ると面白さが広がるに違いない。

(神戸元町映画館広報・宮本 裕也)