1980年代に誕生し、2000年頃まで主たるシングル用の音楽ディスクとして利用された8cmCD。特に90年代には音楽業界が活況を呈し、ミリオンセラーのシングルが連発されたことから市場に大量に流通した。

今や12cmCDや配信にとって代わられすっかりお目にかかる機会が少なくなった8cmCDだが、先日Twitterのタイムラインを眺めていると気になる投稿が目に入った。

「ミリオンセラーを記録した8cmシングル、ついにコンプリートしました」

この投稿は音楽ライターでラジオパーソナリティの長井英治さん(@hn1967hn)によるもの。

投稿にはケースにぎっしりつめられたCHAGE&ASKA、B'z、Mr.Children、大黒摩季、安室奈美恵など時代を彩ったアーティストたちの8cmCDの画像が添付されている。90年代は現在と違って音楽の流行を皆が共有していた時代。タイトルを読むだけで当時の記憶が甦ってくるようだ。

このコレクションについて長井さんにお話を聞いた。

中将タカノリ(以下「中将」):このミリオンシングルは何枚あるのでしょうか?

長井:全部で163枚あります。

中将:90年代だけでそんなにミリオンヒットが出ていたと思うとあらためて当時の音楽界の活況ぶりに驚かされます。

ミリオンの8cmシングルを全て集めようと思われたきっかけをお聞かせください。

長井:元々CDやレコードをコレクションしていましたが、ここ2〜3年、周りのコレクターの影響で8cmもコレクションするようになりました。僕は女性シンガー・ソングライターのコレクターですので、男性アーティストのCDはほとんど所有していませんでした。なので、ミリオンの8cmを集めだしたのはかなり突発的でした。

直接のきっかけは、先日の小山田圭吾さんの騒動で1990年代を振り返ったことがきっかけです。当時僕はCDショップで働いていたので、改めて90年代という音楽バブルを振り返ってみたくなったんです。HMV渋谷という「渋谷系」音楽の発信元で働いていたので、客観的にあの時代を振り返ってみたくなったんでしょうね。

コレクションにかかった期間は約3カ月くらいで、主に東京郊外のハードオフで買いました。
実際、すべて100万枚以上売れた作品なので中古でもけっこう流通しているんです。今年の夏は友人のコレクターとハードオフばっかり回ってました。ほぼゲーム感覚ですね。

ミリオンシングルのリストを印刷して回ったのですが、集まってくるとすごくテンションが上がりましたね。

ちなみに青で印がつけてあるのもはMAXIシングルなので8cmではないんです。とにかく短冊形のCDを集めました。

中将:入手に苦労されたCDはありませんでしたか?

長井:最後まで集まらなかったのが「J-FRIENDS/明日が聴こえる」「Class/夏の日1993」です。最後はつくばにある行きつけの中古ショップで、どうしても2枚見つからないと言ったら店長が裏から出してきてくださいました。

アニメの主題歌になったシングルは、子供たちが所有していたのか、なかなか綺麗な中古品が出てきませんでした。特に「スラムダンク」の主題歌は汚い中古が多かったです(笑)。それだけアニメを含めた主題歌が愛されていた証拠だと思います。

中将:長井さんにとって特に思い入れのあるCDはどちらですか?

長井:女性アーティストの楽曲が好きなので「中島みゆき/空と君のあいだに」「松任谷由実/Hello,my friend」「/宇多田ヒカル/Automatic」「今井美樹/PIEACE OF MY WISH」「ル・クプル/ひだまりの詩」です。

中将:全部名曲ですね!これまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください。

長井:音楽関係の友人たちが何故か反応してくれました。90年代と言ってもすでに20〜30年以上経過しているので、みなさんそれぞれに思い入れがあるようです。

特に音楽関係者はヒットしているものをコレクションしない傾向にあるので珍しかったんだと思います。普段あまりやり取りのない知り合いがコメントをくれましたね。

あとは、自分のラジオ番組のリスナーさんが反応してくれました。

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長井さんはspotify上で 1990年代のミリオンヒットを集めた「ミリオンヒット1990-1999」というプレイリストを公開している。あの頃の懐かしい歌声に抱かれたい方、リアルタイムでなくとも往年の名曲に触れたい方もぜひチェックしていきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)