みなさんは最近よく眠れていますか。全国の20〜60代の有職者男女745人に聞いたところ、睡眠に関して8割以上の人が「悩みがある」と回答しました。また、睡眠に対する満足度については、50代男性の6割以上が「満足していない」と回答し、他の世代よりも睡眠満足度が低いことがわかったそうです。

第一三共ヘルスケア株式会社が「睡眠に関する調査」と題して、2022年6月に実施した調査です。

はじめに「平日(仕事のある日)の平均睡眠時間」を聞いたところ、「6時間台」(35.8%)、「7時間台」(25.2%)、「5時間台」(20.9%)と続き、「7時間未満」の人の合計は66.8%となりました。

結果について、日本睡眠学会専門医で、青山・表参道睡眠ストレスクリニックの中村真樹医師は「医学的にみると、働く世代の睡眠時間は7〜9時間が推奨されています。『7時間未満』と回答した約7割の人は睡眠が足りていません」と説明。

また、「睡眠不足が3〜4日続くと、睡眠不足の状態に身体が慣れてしまい習慣化してしまう、いわゆる『かくれ寝不足』の状態に陥ることがあります。人により必要な睡眠時間に個人差はありますが、休日に目覚ましをかけずに眠り、平日よりも2時間以上長く眠ることがあれば、睡眠時間が足りていない可能性があります」と述べています。

次に、「睡眠に対する満足度」を聞いたところ、「全く満足していない」(13.2%)と「あまり満足していない」(29.3%)を合わせると、42.5%の人が「満足していない」と回答。「大変満足している」(27.4%)と「満足している」(25.0%)を合わせた30.2%よりも10ポイント以上多い結果に。

これを性年代別にみると、50代男性の64.3%が「満足していない」と回答。次いで、40代男性は53.9%、50代女性は50.7%が「満足していない」と回答しており、ミドル世代は睡眠に対する満足度が低い傾向が窺えたといいます。

結果について中村医師は「良い睡眠のポイントは、量(睡眠時間)・質(安定した眠り)・タイミング(規則正しい睡眠)の3点です。40〜50代のミドル世代は、日常生活・仕事の自己管理は比較的できているので、ストレスや生活習慣など何かしらの影響があるのかもしれません。ミドル世代に限らず、寝不足は生活習慣病や認知症のリスクが高まるため注意が必要です」と説明しています。

また、入眠してから朝起きるまでに途中で目覚める「中途覚醒」の頻度を聞いたところ、「ほぼ毎日」(27.9%)、「週に3〜4日程度」(23.9%)、「週に1〜2日程度」(23.5%)と続き、週1回以上の割合を合計すると75.3%に上り、中途覚醒を経験している人が多いことがわかったそうです。

結果について中村医師は「中途覚醒があるから良くないと単純に捉えるのではなく、“中途覚醒が原因で日中に問題が起こっているか”、ということがポイントです。たとえば夜中に目が覚めてお手洗いに行った後、またすぐに眠れる場合はさほど問題ではありません。データとしては、年齢が上がるにつれ中途覚醒は増える傾向にあります」と説明しています。

「睡眠に関して抱えている悩み」を聞いたところ、81.3%の人が何かしらの悩みを抱えていることが判明。具体的には「睡眠中に途中で起きてしまう」(41.6%)、「寝ても疲れが取れない」(35.2%)、「起床後も眠気を感じる」(30.1%)、「寝つきが悪い」(27.5%)といった回答が上位に並びました。また、「寝つきが悪いと感じる状況」については、「熱帯夜」(45.2%)、「梅雨の時期」(25.1%)、「季節の変わり目」(23.9%)という結果だったそうです。

結果について中村医師は「夏の熱帯夜環境では中途覚醒が増え、睡眠が浅くなりがちです。夏場の理想的な就寝環境は湿度50〜60%、室温26℃ですので、もし寝苦しさを感じるのであれば、エアコンの設定温度を見直すことが大切です。弱めの冷房を起床までずっとかけておくなど、寝ている間は快適な室温にしましょう」説明。

さらに、「また、室温だけではなく、体の内部の体温調節がとても重要です。例えば、就寝1〜2時間前に入浴し、上がった体温が下がっていくタイミングで横になると眠りに入りやすくなります」と述べています。

続いて、「睡眠に関する悩みの原因」については、「仕事や人間関係によるストレス」(37.2%)、「加齢」(33.8%)、「仕事による疲れ」(32.9%)と続いた一方で、「わからない」(18.4%)という回答も見られたといいます。

また、「仕事や身体的な悩みで、睡眠不足が原因だと感じていること」についても、「精神的ストレス」(31.9%)が最多に。次いで、「集中力が続かない」(28.5%)、「倦怠感」(25.6%)という結果になり、睡眠に関する悩みの原因、睡眠不足によって生じる悩みは、「ストレス」が最も多く、睡眠問題とストレスが互いに悪影響を及ぼしていることが窺えたそうです。

結果について中村医師は「リラックス状態でなければ入眠できませんし、身体が疲れていて入眠できたとしても、ストレスを感じていると緊張状態から眠りが浅くなります。寝つきが悪くなった結果、寝不足で十分に心身の回復ができず、その状態で日中を過ごすとパフォーマンスに影響が出て、そのことでまたストレスを抱える、という悪循環に陥ります」と説明。また、「不眠の原因には精神的ストレスの他にも身体的なものや生理的なものなど、様々なものがありますが、夜に寝るときに眠れない原因を探そうとすることで上手くリラックスができず、その結果不眠になってしまうということもあるので、『明日のことは明日、考えよう』と開き直って、リラックスして就寝することが重要です」と述べています。

最後に、「睡眠の質を良くするために心がけていること」を聞いたところ、69.0%の人が「何かしら心がけていることがある」と回答。具体的な内容は「お風呂にゆっくり浸かる」(27.5%)、「日中に運動する」(20.5%)、「就寝する時間帯を決めている」(16.8%)と続きました。

また、睡眠満足度別に見ると、「満足していない人」が心がけていることは「特になし」(29.4%)が最も多く、満足している人より7.6ポイントも多い結果となりました。全体で1位の「お風呂にゆっくり浸かる」も、「満足している人」は35.1%、「満足していない人」は24.4%と、10ポイント以上も差があり、各項目において睡眠に対する意識の差が見られたそうです。なお、「満足している人」は、20.0%が「飲酒量・頻度を減らす」と回答していたそうです。

結果をふまえて中村医師は「睡眠の質をすぐに上げることは難しいのですが、下げないようにすることはとても大切です。お風呂にゆっくり浸かることは、たしかにリラックス効果が期待できますが、仕事で遅く帰宅して入浴時間の確保が難しい場合などは、睡眠時間を優先してシャワーで済ませるのがよいでしょう」説明。「また、睡眠前の飲酒は寝つきが良くなっても、睡眠の質を下げる影響があるため、嗜む程度にした方が良いでしょう。睡眠の観点で言えば、重視するのは『リラックス』です。自分に合ったリラックス方法を見つけ、臨機応変に取り入れていくことが大切です」と述べています。