まもなく芸術の秋。保育園・幼稚園・小学校でも、学芸会やお遊戯会、音楽会などが行われるところも増えてきますね。うちの子は何の役や担当になるのか、保護者としては気になるもの。ついでに主役や指揮者、最初と最後のご挨拶をする子どもは誰なのかも、ママ同士の話題になりますね。「どうして、うちの子はこの役なのか」「なぜ、あの子はあの担当なのか」…選ばれた方法や理由を聞いて、逆に「納得がいかない」ともやもやしてしまうことも…。

学芸会・お遊戯会・音楽会の担当・役決めでよく行われているのは「コンテスト・オーディション方式」「立候補+ジャンケン方式」「実力で先生が決める方式」の3つのようです。それぞれについて、保護者たちの思いを聞きました。

選抜方法1「コンテスト・オーディション方式」

▽賛成派

・子どものやる会なのですから、子ども同士で「あの子はうまいね」とか決めるのでいいと思う(Aさん)

・コンテスト(オーディション)方式は、子どもであるがゆえに不公平なところはあると思う(たぶん、人気のある子はいいが、クラスになじめないタイプはきついはず)。ただ、学校も社会である以上、こういうことは体験するべきかなと思う。みんなに賛成されて嬉しい体験も、選ばれずに悔しい思いをすることも、成長に必要な経験ではないかな、と。親がきちんと家で「でもあなたはこんな素晴らしい才能もあるじゃない」とフォローすればいいのではと思います(Kさん) 

▽反対派

・コンテストといっても、音楽会なら本当に楽器ができる子やうまい子が、習っている楽器を選べることなく、単純に子ども同士で仲良しだったり人気がある子が好きなものを選べてしまう。運動会なら足が速い子がリレーの選手になるように、音楽会なら楽器ができる子、学芸会なら大きな声を出せる子など、やはり実力主義にするべきでは?(Mさん)

・学芸会は役柄を選んで、複数いると子どもがひとりずつセリフを言い、一番拍手が多い子になるというやり方だった。人見知りで孤立しがちなわが子に問題があることはわかるが、「必ずどれかに手をあげろ」と言われ、仕方なくネズミかなんかの端役に手をあげたら、他にもいて、全く拍手されなかったと暗い顔で帰宅したのを見て、このやり方はどうなのだろうとどうしても納得がいかなかった(Iさん)

選抜方法2「立候補+ジャンケン方式」

▽賛成派

・ジャンケンは運不運はあるが、とてもわかりやすく公平なので、小さい子どもには良いと思う(Fさん)

・保育園とか幼稚園くらいは、親が学芸会の主役だとか音楽会で何やるとか、変に必死になるから、ジャンケンなら「あら負けちゃったんだ、残念〜」ですむし、いいのでは(Oさん)

▽反対派

・学芸会の役柄とか、一生懸命やりたい役のために練習してる子とかいる。ウチの子もそうでした。それをジャンケンで決めるなんてどうなの、と思った(Sさん)

・おとなしい子だと立候補で手をあげることもできないまま、残った役をやったり、数合わせで楽器を決められてしまったりする。それは性格だから文句を言う筋合いでもないけど、親が子どもを半ば脅したり、ゲーム買ってあげるからなどと言って無理矢理にでも立候補させようとする人がいることを知り、微妙だなと感じた(Rさん/32歳) 

選抜方法3「実力で先生が決める方式」

▽賛成派

・音楽会なら、やはりピアノならピアノ習ってる子がやらないと無理でしょう。何もしてない子はその他大勢の縦笛とかカスタネットとかになっても、しょうがない。運動会だって、足が早い子が選手に選ばれるわけで、ジャンケンとか子ども同士で決めるものじゃないのだから、運動会もお遊戯会も音楽会も同じく等しく、実力主義というか、できる子が選ばれるべき(Uさん)

・先生が一番子ども達の状況をわかっているはずなので、基本的に先生が決めるのでいいと思います。できれば子どもに希望を聞いた上で、先生から子どもがわかるように納得するように、子ども達と話し合いをしながら決めるのがいいのでは(Mさん)

・子どもの話し合いなんて、小学校の高学年になったって、なかなかまとまらないもの。今の小学校の授業時間でこうした行事にさける余裕はホントないから、もうスパっと先生が決めるのでいいと思う(Gさん)

▽反対派

・色々な先生がいるから仕方ないが、やはり先生も「この子なら失敗しない」とか「言うことをよくきく子」を大事な役とか、楽器とかに選ぶと思う。でも劇や合奏が成功すること以上に、子ども達が自分たちで作り上げる経験の方が大事なのでは? だから、先生が決めるより、子どもたちで話し合って決めた方がいい(Tさん)

・先生が親に忖度して決めてるとこがハッキリ言ってある。不公平だと感じます(Nさん)

そもそも親の考え方に問題があるのでは?

▽主役が7人!?

学芸会やら音楽会の時期になると、必ず親同士で「誰が何をやるか」の話題になる。あまりに盛り上がりすぎて、親が園に文句を言ったり、親同士の軋轢に繋がったりで、前回の劇ではピーターパンだったけど、ピーターパンが7人いた。先生の苦肉の策なのはわかるけど、脇役だから悪いわけではないのだし、そういう役も一生懸命やるから「劇」が進むということを教えることのほうが大切なのに、なんか主旨が違ってないか?と違和感を覚えました(Rさん)

▽子どもの気持ちを受け止めてあげて

なんだって活躍すれば嬉しいのが親の本音。でも、だからといって子どもに「絶対に〜〜に立候補しなさい」とか、習ってもいないのに「小さい時に音楽教室行ってたと言いなさい」とか、けっこう画策している親が多いのを知り驚きました。うちの子は劇では「木」(でかい木の絵を持って立っていた)だったし、音楽会は大勢のカスタネットでまともに叩いていなかったけど、可愛いなぁ、と思ったし「みんなと違うとこで叩いてたよねぇ!」なんて我が家では笑い話として良い思い出になっています。何も保育園や幼稚園、小学校で主役やったとか、指揮者やったからって、なんぼのもん??? 子どもが「〜〜やるんだー!」って帰ってきたら「へぇ、見にいくのが楽しみだなぁ!」って、子どもの気持ちが前向きになるように答えてあげるのが親の役目だと思います(Wさん/43歳)

▽そこまでやる…?

劇の役柄決めがあった時、「主役とれなかった、ママがきっと怒る、ママがっかりする」って泣いてる子がいたって子どもから聞いたことあるけど、かわいそうになぁと思いました。親の満足のために子どもが劇やるのでも合奏や合唱やるのでもないんですから。あと「はじめの言葉」を自分で作って暗記してきた子がいて、先生が決めようとしたら「私は自分で作ってきたから、私にやらせて下さい」と(娘が小4の時です)言った子もいたとかで、この話を聞いた時にはビックリした。なんでも、その子の親が原稿をつくり、覚えさせたらしい。そこまでしてわが子の出番を作りたいの? 本当にその子がやりたくて頑張ったならいいんだけど…。(Aさん)

子どもの活躍を期待してしまうのはわかるけど…

親としては、ついつい「なんの劇やるの?」「どういう役があるの?」「合奏?大太鼓とか立候補してみなさいよ」なんて子どもに発破を掛けたくなる気持ちはわかります。

でも、あまりに「選ばれるようにしないと!」とプレッシャーをかけるのはどうなのでしょう。たかだが学校の学芸会や音楽会、人生の大舞台はこれからなのに、と思ったりもします。ただ…。

「プレッシャーをかけることは私は悪いとは思わない。社会に出ても前に出ていく力も必要なんだし、こういう時は立候補すべきなんだよ、選ばれるように練習すべきだよ、と言うのは悪いことでしょうか?」

そんな意見をあるママがハッキリと意見を口にした時、こういう問題に正解はないけれど、親が子どもの成長を考え、それぞれのポリシーというか、こういうことを学んで欲しいと願った上であれば、私はそれを間違っているとは言えないなぁ…と、戸惑いつつも思いました。

子どもが活躍することを、自分が活躍した気分=自分の優位性、に置き換えて考えるような勘違いさえしなければいいのかな、というのが、今回、様々な意見を聞いた筆者の感想です。

   ◇   ◇

ちなみに筆者の息子が小1の時、70名近い1年生全員がひとつの劇に出るという荒技で驚きました。私が、「何やるの?」と聞くと「アリ」とのこと。

「アリのね、14番だよ!」(←何がすごいのかわからないが14番を強調した)
「そ、そ、そっかぁ、14番かぁ、覚えておくね」

そんな受け答えがあり、いざ当日に見にいくと、アリ14番のセリフは2つ「重いなぁ」と「さぁがんばろう」でした。

あまりに短くて、あまりに一瞬すぎたので、よけいに記憶に残ってます(笑)。

(まいどなニュース/BRAVA編集部)