みなさんは自分自身が介護をする側、あるいは介護される側になったときなど、介護についてどのように考えているのでしょうか。全国の20〜70代以上の男女4000人(男女各2000人)に調査をしたところ、自身の介護が必要になったときに、介護施設に「入所したい」と答えた人は約4割でした。また、入所したい理由は、7割以上の人が「家族に迷惑をかけたくないから」と回答したそうです。

株式会社プラネットが「高齢者介護に関する意識調査」と題して2022年9月に実施した調査です。

まず、「自身の介護が必要になったときに、介護施設に入所したいですか」と聞いたところ、「入所したい」が45.9%、「入所したくない」が54.1%と、ほぼ半々という結果になりました。

これを男女別にみると、「入所したい」と回答した男性は42.0%、女性は49.9%となり、男性は年齢が上がるほど「入所したい」と回答した割合が高い傾向の一方で、女性は30代(56.8%)、40代(53.7%)、60代(50.2%)で「入所したい」が半数を超えていたといいます。

「介護施設に入所したい理由」については、「家族に迷惑をかけたくないから」(73.1%)が最多に。次いで、「安心・安全に過ごせそうだから」(29.2%)、「負担がお金の面だけで済むから」(26.9%)と続く結果となりました。

一方、「入所したくない理由」では「家で過ごすほうがいいから」(56.0%)、「経済的な負担が大きいから」(49.1%)、「資金的な余裕がないから」(43.3%)などが上位に挙げられたそうです。

これを年代別でみると、入所したい理由で最多だった「家族に迷惑をかけたくないから」は、20代の63.5%に対して70代以上では88.8%と、高齢になるほど高くなっていた一方で、入所したくない理由1位の「家で過ごすほうがいいから」でも20代の39.0%に対して70代以上では75.4%と、こちらも高齢者ほど高くなる傾向が見て取れたといいます。

高齢者介護施設に「入所したい」と回答した1836人に「施設に入所した場合、家族や友人・知人にどのくらいの頻度で面会に来てほしいですか」と聞いたところ、「家族の面会」については、「1ヶ月に1回」(25.5%)、「1週間に1回」(20.4%)など、約6割の人が1ヶ月に1回以上の面会を希望することが分かった一方で、「まったく来てくれなくてよい」と回答した人も17.8%いたそうです。

他方、「友人・知人」については、「まったく来てくれなくてよい」(40.3%)が最多に。次いで、「1ヶ月に1回」(16.2%)と続きました。

高齢者介護の経験は?

次に、「高齢者介護の経験(仕事での介護は含まず。以下の質問でも同様)」を聞いたところ、79.7%が「したことはない」と回答。「1人だけ」は15.3%、「2人以上」が5.1%という結果になりました。

性年代別にみると、介護経験がある人の割合は、「60代」(男性25.2%、女性35.4%)、「70代以上」(男性25.5%、女性37.6%)では男女との間で10ポイント以上の差があったそうです。なお、「2人以上」の介護経験がある人が10%を超えたのは、「女性60代」(10.2%)と「女性70代以上」(12.7%)だけだったといいます。

介護経験のある814人に「介護の相手」を聞いたところ、「父・母」が67.6%、「義父・義母」が18.7%という結果に。男女別では「父・母」(男性77.2%、女性58.3%)は男性のほうが約20ポイント高く、「義父・義母」(男性13.5%、女性23.6%)は女性のほうが10ポイント以上高かったそうです。

全回答者に「高齢者介護をしていて、あるいはすることを想像したときに、負担に感じますか」と聞いたところ、「とても負担に感じる」(55.4%)と「やや負担に感じる」(32.8%)を合わせて9割近い人が「負担に感じる」と回答。特に女性の40代〜60代では9割超とほかの年代と比べて高い割合になっていたそうです。

一方で、「負担に感じない」と答えた人は、「あまり負担に感じない」(6.6%)と「まったく負担に感じない」(5.2%)を合わせて11.8%でした。

また、介護経験の有無で「介護をどのくらい負担に感じるか」を調査したところ、介護経験のある人は「とても負担に感じる」「まったく負担に感じない」と回答した割合が低く、「やや負担に感じる」「あまり負担に感じない」と回答した割合が高くなっていたことから、実際に介護をしてみて「想像していたより楽だった」「想像していたより大変だった」と思い直す人がそれなりの割合いることがうかがえたといいます。

「高齢者介護用品を使用したことがありますか」と聞いたところ、91.0%の人が「ない」と回答。これを性年代別にみても、どの年代でも使用経験がある人は少数にとどまっていたそうです。

また、「高齢者介護用品のイメージ」について、「使い方がわかりやすい」「適正な価格」「デザインがよい」「介護される側のことが考えられている」「介護する側のことが考えられている」の5項目で聞いたところ、どの項目についても「どちらともいえない」と回答した人の割合が最も高いという結果になりました。

但し、介護経験のある人は「どちらともいえない」の割合が相対的に低くなっており、実際に介護をしたことがあるかどうかで、介護をどのくらい負担に感じるかには違いがうかがえたといい、特に「介護される側のことを考えられている」と「介護する側のことを考えられている」の2項目では、「当てはまる」と回答した介護経験者が介護未経験者よりも15〜20ポイント程度高くなっていたといいます。

最後に、「介護に関して思うこと」については、以下のようなコメントが寄せられたそうです。

【介護をして感じたこと】

▽両親の介護をしていた。トイレや入浴など、少しでも介助なしで利用できるようなバリアフリーにしておけば、介護が少しは楽だったかもしれない(男性70代以上)
▽認知症の祖母を介助しているとき、性別も違うので、自分相手では恥ずかしがった。第三者でなければ、細かな対応はできないように感じた(男性30代)
▽祖母を介護していた時に、祖母は介護されることに対して申し訳ない気持ちを持っていた(女性40代)
▽介護者と被介護者はそれぞれに事務的であるほうが、心持ちが楽であると感じられた(男性70代以上)

【介護したことはないが…】

▽「施設には入りたくない」と言う実の親を、母が介護していた。家での介護は誰か一人ではできないし、ほかの家族や専門の方の協力があってこそ。自分なら家族へ負担をかける方がしんどいので施設に入りたい(女性30代)
▽家族が介護をしているのを見ると、互いに自分の時間が取れなくて大変だなと思う。有料でもサービスを利用した方が割り切って介護を受けられそうだが、高額な施設でも自分に合ったスタッフに出会えるかわからないのは不安(女性30代)
▽自分は介護をしたことがなく、とても大変・負担が大きいというイメージがあるので、介護をしている方を尊敬している。自分が要介護者になったら、家族に負担はかけたくないので、仕事として介護をしてもらえる、介護施設に入所したい。(女性30代)

【施設のおかげで】

▽祖母は車椅子を使っていたが、気持ち的におむつに抵抗があり、介護施設でもめて、双方が困っていた。自分はそうならないよう健康に気をつけるか、時代が進んで介護がロボット化していることを願う(女性20代)
▽母は介護施設でお世話になっていた。面会に行ったとき、私にできるお世話だけはしていたが、お風呂、トイレなどの介助が、一番大変だと感じた。本当に施設の方たちには、感謝でいっぱいでした(女性60代)
▽祖母が施設に入所していた。家族だと甘えてしまうことも、施設で他人の目が入ることで、刺激を受けるし、介護する側も気分転換できる。いい関係を築く上でも、施設入所は双方にとってよかったと思う(女性20代)

【穏やかに暮らしたい】

▽私は障碍者なので、夫にサポートされながら日々暮らしている。同じ年なので数年後一緒に施設に入居しようと考えている。そのなかで穏やかに楽しく余生を送りたい(女性70代以上)
▽以前デイサービスで働いていたことがあるが、デイサービスで楽しそうに過ごされている利用者を見ると福祉サービスを利用するのもいいなと思いました(女性40代)