離婚に踏み出すには様々な問題をクリアする必要がありますが、住宅ローンで購入した住まいのことや、その後の住居をどう確保するかがハードルになるケースもあるでしょう。婚姻時に持ち家で子どもがいた共働きの夫婦で、離婚経験のある全国の男女1013人(男性507人・女性506人)に、住宅をめぐる問題について調査をしたところ、約7割強の人が「住宅ローンを組む際に、離婚する際の不動産処分の話をしていなかった」ことがわかりました。

一般社団法人 共有名義不動産問題研究所が「子どもがいる夫婦の持ち家に関する考え方に関する調査」と題して、2022年10月に実施した調査です。

まず、「主な離婚理由」を聞いたところ、「性格の不一致」(62.3%)、「異性関係」(24.3%)、「経済問題」(19.0%)、「家族・親族と良好な関係が築けない」(14.1%)、「精神的虐待」(10.6%)が上位に挙げられました。

次に、「どのように住宅ローンを組みましたか」と聞いたところ、「夫単独」(59.7%)、「夫婦ペアローン」(17.7%)、「妻単独」(8.0%)が上位に。また、「持ち家の名義」については、「夫」(66.8%)、「妻」(13.3%)、「夫婦共同」(12.9%)などが挙げられたそうです。

続いて、「住宅ローンを組む際に、もしも離婚する際の不動産処分の話しはしていましたか」と聞いたところ、72.8%の人が「不動産処分の話しはしていなかった」と回答し、離婚のことを念頭に置いてローンを組む人は少ないことがうかがえたそうです。

一方、「不動産処分の話しをしていた」(27.2%)と回答した人に、取り決めていた内容を聞いたところ、「裁判沙汰にしない」(40代女性/会社員)、「全て息子へ」(40代女性/会社員)、「住宅は夫が住みながら住宅ローンを払い、妻が出ていく」(50代男性/経営者・役員)、「家は夫、養育費や財産分配は毎月の支払いとする」(50代男性/会社員)などの回答が寄せられたといいます。

「離婚後の住居」について聞いたところ、「そのまま持ち家に住み続けている」(46.6%)、「新しく賃貸を借りている」(26.2%)、「実家に戻っている」(13.2%)、「新しく買った不動産に住んでいる」(12.2%)などが上位に挙げられました。

そこで、「新しく住居を探す際に大変だったこと」を聞いたところ、「貯金がない」(21.3%)、「条件に合う物件が見つからない」(19.8%)、「収入がないため審査が通らない」(11.9%)、「育児や仕事探しなどと並行して探すため、時間と労力がかかる」(11.9%)といった回答が上位に並んだ一方で、「特にない」と回答した人も49.2%いたそうです。

なお、離婚後の住居探しの苦労したエピソードについて回答者からは、「ローンを単独で借りるのに少し手こずった」(30代男性/専業主夫)、「全部仕事の合間に手続きなどをしないといけないため、時間調整がたいへんだった」(40代女性/自営業・自由業)、「精神的に辛い時期だったため次の住まいを探す余裕がなかった。親が見つけてくれたため大変助かった」(40代女性/会社員)、「仕事辞めたので無職だと借りられず、預金残高300万以上と提示された」(50代男性/無職)などの声が寄せられたといいます。

また、「離婚後の住居問題をはじめ離婚後に起こる様々な問題に対して、離婚前に想定できていましたか」と聞いたところ、「全て想定できていた」(16.5%)、「ある程度想定できていた」(40.3%)、「全く想定できていなかった」(21.0%)、「あまり想定できていなかった」(22.2%)という結果になり、想定できた人とできなかった人とを比べると、大差はみられなかったそうです。

最後に、「離婚後に苦労を減らせるようなアドバイス」について回答者からは、「ローンは単独で組むべき」(40代男性/会社員)、「お金を貯める、離婚前に仕事を見つける」(40代女性/会社員)、「最悪の事態を避ける為口頭の約束ではなく書面『出来れば司法書士』に依頼したほうが良い」(40代女性/パート・アルバイト)、「子どもとどう向き合って生活していくかよく考える。子どもの預け先を調べる。職場の理解を得る」(50代男性/会社員)などのコメントが寄せられたといいます。