今年1月、沖縄県沖縄市内の路上で警察官と接触した当時17歳の男子高校生が右目眼球破裂の重傷を負った件で、沖縄県警は今月下旬、当該の警察官が持っていた警棒から、負傷した高校生のDNA型が検出されたことを明かした。高校生は右目を失明しており、警察官が故意に警棒を当てた可能性の有無が焦点になっている。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は28日、当サイトの取材に対し、少年の近況や心境を家族の証言を元に報告した。

 県警によると、1月27日午前1時ごろ、「バイクが暴走している」という通報を受けて警戒していた沖縄署員が、男子高校生が運転するバイクを見つけ、停止を求めた際に接触し、高校生は負傷した。同署員は当初、「警棒を持って高校生を制止しようとしたが走り去った。故意にけがを負わせる行為はしていない」と主張し、高校生は「警察官がいきなり目の前に現れ、警棒で殴られた」と県警の聞き取りに答えており、証言が食い違っていた。

 小川氏は「4月20日に、沖縄県警、捜査一課の担当者が少年の母親と面談をし、『警棒から息子さんのDNAが検出されました』と伝えられたということです。ただ、捜査の状況については伝えられなかったようですが、弁護人を介して当該警察官に対する『特別公務員暴行陵虐(りょうぎゃく)罪』も視野に入れて捜査を進めているということも伝えられたということです」と説明した。

 さらに、同氏は「当該警察官は『故意』とは認めていないが、証言が変遷しており、今は『自分の警棒が当たって失明したことについては申し訳なかった』と言っていると、捜査一課の人を介して母親は聞いています。警察官本人から(少年の家族への)直接の謝罪はないとのことです」と代弁した。

 少年の近況について、小川氏は「本人はいま高校3年生で、4月から学校に入っている。将来やりたいことがあったが、目が見えなくなって、進路を再検討することを余儀なくされているそうです。学校には許可をもらって、サングラス的な色の付いた眼鏡を掛けて通学している。外見上、右目は閉じたままで、ボクシングでダメージを受けた試合後の状態のように腫れている。眼球を摘出すると、患部がへこんでしまうので、まだそれはやっていないということでした」と明かした。

 今後について、小川氏は「同年代で、そういう外見の若者は少ないので、どこにいても『あの時の少年』だと分かってしまう。これから、就職するか、専門学校に行くか、進路は決まっていないが、どこに行っても、そのことがついて回るのはつらいということで、本人は『早く日常の生活に戻りたい』と言っています。お母さんは『3月中には決着が付いて新学期を迎えられると思っていたが、4月になってもそんな状態で、残念な思いです。(警察官が)本当の話をしてくれることを願っている』と話していました。今後は、現場での両者証言を基に捜査が継続されます」と付け加えた。