ブラジャーが2つのガスマスクに変身!自分1人だけでなく2人助かる発明(公衆衛生賞)、バッタが映画「スター・ウォーズ」を⾒ている時に興奮していることを発⾒(平和賞)などユニークな研究に光を当ててきたイグ・ノーベル賞。数々の研究を紹介する「イグ・ノーベル賞の世界展」が大阪・心斎橋PARCOで10月1日に始まります。チケットは前売り券が一般1300円、当日券は1500円。2018年の東京会場、2021年の福岡会場に続く今回を、お見逃しなく。

1991年創設のイグ・ノーベル賞とは、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に与えられる賞で、本家のノーベル賞に対して、"裏ノーベル賞"とも呼ばれます。が、その注目度は引けを取らず、毎年9月にアメリカ・ハーバード大学で行われる授賞式は世界的なニュースになっています。

これまでに日本人研究者も多数ノミネートされ、2021年まで15年連続で受賞し、2022年は千葉工業大学創造工学部デザイン科学科の松崎元(げん)教授らの研究チームが円柱形つまみの回転操作における指の使用状況についての研究で「工業賞」を受賞しました。

「イグ・ノーベル賞の世界展」はイグ・ノーベル賞の創設者であり、雑誌「IMPROBABLE RESEARCH」のマーク・エイブラハムズ編集長の協力を得て制作した「イグ・ノーベル賞」の公式展覧会。イグ・ノーベル賞の誕生秘話から授賞式の様子、さまざまな分野にわたった研究を、パネル、映像、実物や体験(実験)などのアイテムを通して、「まず笑って、そして考える」ことを楽しめる内容になっています。

会場内では、「イグ・ノーベル賞」について分かりやすく解説し、受賞者に与えられるユニークなトロフィー展示や、笑いの絶えないショーのような授賞式の様子を追体験。これまでの受賞のうち、特にユニークな約60点の研究について、受賞者から借り受けた実物や紹介パネルを展示。受賞分野は⽣物賞・化学賞・数学賞・経済学賞・平和賞・⾷物賞など多岐にわたり、目から鱗の展示から抱腹絶倒のものまで、研究とお笑いのギャップの面白さを楽しむことができます。

展覧会の公式サイトで、マーク・エイブラハムズ編集長は「まず笑い、それから考えるというイグ・ノーベル賞の受賞者数で、日本はトップクラスです。その理由として私は、日本の伝統にあると思います。この風変わりな地球と向かい合い融和する類まれな心根を持っているからです。」とコメントを寄せています。

開催概要
「イグ・ノーベル賞の世界展2022」
会場:心斎橋PARCO 14F PARCO GALLERY
期間:2022年10月1日〜11月13日10:00-20:00※入場は閉場の30分前まで ※最終日は18時閉場
チケット:一般当日1500円、前売り1300円▽学生(小学生〜高校生)当日1000円、前売り800円
展覧会公式サイト:https://www.asahi.co.jp/event/ig2022

工業賞を受けた千葉工大の研究とは…

円柱形つまみの回転操作における指の使用状況についての研究

<研究概要>

身の回りには、つまみやグリップ、ノブやダイヤルなど様々な機器があるが、使用者は、何本の指でどの位置に触れて回すかなどわざわざ考えず、いつも無意識に操作をしている。この「無意識の行為」をグラフや数式で表せないかと考えた。
実験では、45本の直径が異なる円柱を32名の被験者に回してもらい、操作開始時の指の使用本数と接触位置を統計的に明らかにした。この結果は、つまみの大きさや形状をデザインする際に役に立つと考えられる。

<コメント>
今では軽く操作できるレバーハンドルの方が一般的ですが、タッチパネルや非接触の動作に関する研究も増えています。20年以上前のある種時代遅れの研究かもしれませんが、コロナ禍で人とモノの関係をあらためて考えるきっかけにもなると評価されたのかもしれません。
受賞について、研究者としては「人々を笑わせ考えさせた研究」ということで複雑な気持ちでしたが、着眼点を評価された「デザイナー」としては大変嬉しく思います。これを機に無意識の行為を研究する若い研究者やデザイナーにもっと注目が集まることを期待しています。

論文はこちら→https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssdj/45/5/45_KJ00001647367/_article/-char/ja/