大津市の「大津地方裁判所」(滋賀県大津市)で、出入りする法曹関係者らがカラスの「襲撃」に遭っている。敷地内の木で子育て中のカラスが通行人を警戒しての行動とみられ、地裁や市は来庁者らに注意を呼び掛けている。

 「風圧がすごく、怖かった」。訴訟手続きに訪れた40代の男性弁護士が6月1日昼、正門付近を歩いていたところ、頭の後ろを何かがかすめた。振り向くと、大きなカラスが近くの木に止まっていた。自身にけがはなかったが、別の弁護士ら4、5人は5〜6月上旬、同所でカラスに頭を蹴られたり、ふんを落とされたりしたといい、弁護士間では「入庁する依頼者に注意を呼び掛けよう」と話題になったという。

 地裁総務課によると、6月7日に職員が正門付近でカラスが鳴き騒いでいるのを確認。けが人などの被害や苦情は把握していないというが、来庁者に危害が及ぶのを懸念して市に相談した。

 8日に捕獲許可証を持つ市農林水産課の職員が訪れ、つがいらしき2羽とひな2羽を見つけた。ひなの1羽は飛び立ったが、もう1羽は市が管理する近くの森に放したという。同課は「5〜7月はひながかえり、親鳥は気が立っている」と注意を促し、「未確認の巣やひなが存在したり、ひなたちが戻ってきたりする可能性もある。地裁には何かあればすぐ連絡するよう伝えた」とする。

 16日。木の上で親カラスが大きくなった子どもに餌をやる姿が見られ、記者が木に近づくと、急降下して2メートルほどまで飛んできた。地裁は正門前に「カラス注意」とするプラカードを貼って来庁者に注意を呼び掛け、警備員が木の周辺で警戒している。

 木の奥に立つ本館には民事部が入る。件の弁護士は、第1刑事部(イチケイ)裁判官が主人公のテレビドラマのタイトル「イチケイのカラス」になぞらえ、「イチミンのカラスやな」と苦笑し、推移を見守っている。

(まいどなニュース/京都新聞)