水族館でおなじみのアザラシ、アシカ、セイウチ。見た目が似ているので、見分けることができる人は案外少ないのではないでしょうか。そんな人たちのために、おたる水族館(北海道小樽市)が作成した親切丁寧なパネルが話題です。海獣たちを名作アニメの「機動戦士ガンダム」に登場するジオン公国の水陸両用モビルスーツにたとえたもので、アシカ(やトドやオタリア)は「ズゴック」、アザラシは「ゴッグ」に。そして3機そろった愛らしい「アッガイ」は…。ガンオタの皆さん、次の休暇はおたる水族館へ!

ラノベ作家の葛西伸哉さんが、おたる水族館で見かけたパネルを自身のアカウント(@kasai_sinya)で紹介すると、「一瞬で理解したw」「ガンダムで説明するって斬新過ぎるやろ」などと反響を呼び、2万以上のいいねがついています。

パネルの上半分は一般向け解説。アザラシ、アシカ、セイウチの見分け方について、耳、泳ぐとき、歩くときで説明。ちなみにアザラシは「あしをつかわずはうように腹で」、アシカは「前後のあしで」歩くそうです。

下半分は「わかりにくいたとえ」と断り「モビルスーツだと…」とガンダムを知らない人を置き去りにして、イラスト制作者の感性がさく裂。陸上でも動きが速いアシカやトドやオタリアは「ズゴック」、水中の動きはよいが陸上だともっさりのアザラシは「ゴッグ」、セイウチは「ゾック」にあたるそうです。そして「アッガイ」はキュートなカワウソに例えられ、ガンダムのビームサーベル部分をよくよく見ると、チンアナゴ。なんだこれは…実に分かりやすい!

趣味は博物館めぐりで今回初めておたる水族館を訪ねた葛西さん。ガンダムをひと通り見ているそうです。「わかる人には直感的にわかりやすいのはもちろんですが、本来の解説が上にあり、しかも「ガンダムに詳しくない人、すみません」とお断りを入れているあたりに、詳しくない人に情報を伝えるプロとしての節度を感じました。博物館や水族館、動物園ではこういう手書き解説も楽しみのひとつです」と話します。

イラスト制作者はジオン派

おたる水族館に尋ねたところ、このパネルは飼育部次長で獣医師、そしてガンダムファンの角川雅俊さんによるもの。「どちらかというとジオン派です」という角川さんに聞きました。

ーパネルが話題になっています

「このパネルは今春制作しましたが、その後展示プールのアザラシの移動に伴いいったん外し、今月半ばからまた展示再開に伴い再掲示しました。館内には私のイラストを用いたパネルが各所にあります」

ーなぜ水陸両用モビルスーツと海獣を比べようと

「パネル類はお客さまに興味関心を持って見ていただき、動物のことを印象深くお伝えするものと思っており、その方法としてガンダムのモビルスーツのたとえで作りました。もともとファーストガンダムのファンで、日々の仕事の中でアザラシとアシカは、ゴッグとズゴックの関係とよく似ていると感じており、いつか作ってみようと計画を温めていました。私と同じアラフィフのガンダム好きには響くかなと思いました」

角川さんは「日本海に隣接した自然豊かな立地のおたる水族館では、トドやアザラシなどがのびのび暮らしています。動物との距離が近いのでその様子が良くご覧いただけます。今回のパネルだけではなく各飼育員が工夫を凝らしたパネル類で楽しく動物のことを知ることができると思います」と話しています。

(まいどなニュース・竹内 章)