福島県立博物館に展示されている、とある縄文時代の土製品が話題になっています。ずんぐりフォルムに小さなとんがりが2つ付いているのですが、みなさん何に見えますか? 現代でも通用しそうな、猫ちゃんグッズみたいに見えませんか? さすが昔の人たち…素敵なセンスをお持ちです! ただ、実際のところ詳細はよく分かっていないようなのですが…。

福島県立博物館で11月17日まで開かれている企画展「あにまるず ANIMAL × Zoo ―どうぶつの考古学―」で展示されている、「ネコ型土製品」です。郡山市内にある縄文時代の遺跡から発掘されたもので、大きさは横5〜6センチ程度と、手のひらにも乗せてしみじみ見つめて楽しめるスケール感です。目鼻はなく、いたってシンプルな造形ですが、逆にモダンな印象も感じさせますね。こんな雑貨がセレクトショップに並んでいても、ぜんぜん不思議じゃないかも…といった雰囲気ですね。

Twitterでは「めっちゃかわいい」「縄文人なかなかやるな」といった驚きの声が続々と。「昔からネコちゃん可愛いは真実であるという証明」「人間の考えることは今も昔も変わらない」といったような指摘も寄せられています。

しかし、こんなもの、いったい何に使っていたのでしょうかね…? 福島県立博物館に聞きました。

―現代でも通用しそうなデザインで驚きます。この土蔵品は何に使われていたのでしょうか。

「実はよく分からないんです。現代の感覚でいえば、ネコのかたちに似ているので『ネコ型土製品』と名付けていますが、本当のところは、ネコなのかどうかさえもよくわからないんです」

 ―ええっ…。そうなんですね。

「現在のペットとして飼われているネコは『イエネコ』という種類ですが、日本に来たのは弥生時代になってからと言われています。この土製品は縄文時代の遺跡で発見されているので、数千年ほど時代のずれがあるんです」

―それでは何をモチーフにこんな造形を…。

「イエネコとは違って、現代では絶滅しているのですが『ヤマネコ』という種類のネコは縄文時代からいたようです。ただ、ヤマネコをかたどったのかといわれると、本当のところはわかりません」

―昔のことを調べるのって、大変なんですね。

「はっきりと動物名が分かるものもあるんですよ。たとえば、こちら…ムササビをかたどったはにわです。日本で発見されている唯一のムササビのハニワです」

―ああ、こちらもかわいらしい! このすっとんきょうな表情も…十分現代で通用しそうなデザインですよね!

   ◇   ◇

「考古学というと難しいイメージがあるので、動物という切り口でやさしく紹介したかった」という同展。縄文時代から古墳時代の動物造形品など約200点が展示されています。ほかにもクマ型の土器や、頭に小鳥をのせた盾持ちのはにわ人など、古代人と動物との関係をうかがい知ることができる考古資料がいっぱいです。

なお、ネコにまつわるおすすめの展示品があるというので、紹介してもらいました。じゃじゃーん。

兵庫県姫路市で出土した、古墳時代終末期の須恵器。器が生乾き状態のときに猫が通って踏んでしまったようで、器には肉球の跡がくっきり…。今も昔も猫ちゃんの自由気ままな雰囲気は変わらないのかもしれませんね。

(まいどなニュース・川上 隆宏)