保護猫の中でも、可愛くて人に懐きやすい猫なら里親が見つかりやすい、反対に不愛想で警戒心が強い猫は里親が見つかりにくい。みたらしちゃんは、まぎれもなく後者だった。

孤高の保護猫

東京都内で、妊娠している野良猫がうろついていたところを保護された。2014年3月、その母猫は無事に子猫を出産した。神奈川県に住む鈴木さんは、猫と暮らしたいと思って譲渡サイトで保護猫を検索していた。上京してから4年間、動物のいない生活をしていたが、社会人になったら犬や猫を暮らしたいと思っていたという。

「少しでも命を救えたらいいと思い、保護猫や保護犬に絞って探していました。でも、一人暮らしだったので、留守番のことを考えると猫のほうがいいと思ったんです」

母猫が産んだ子猫たちは譲渡サイトに掲載されていた。「1歳になっていて、他の子猫たちとはしゃいで遊ぶタイプではなく、一人遊びが好きですと書いてありました。写真からも警戒しているのが伝わってきて、印象的でした」

里親が見つかりにくい猫を希望

鈴木さんが応募すると、志望動機などをたずねられるなど、1カ月半くらいメールのやり取りが続いた。何人か候補者がいたが、鈴木さんが選ばれた。

「保護猫でも早く里親さんが見つかる子がいますが、私は、里親さんが見つかりにくい子を引き取りたいと思ったんです」

2015年3月、鈴木さんはその後飼うことになる子猫に初めて会った。「怖がっていたので、早くなじめるように優しくなでてあげました」。名前は、毛色にちなんで、みたらしだんごのみたらしちゃんと名付けた。

みたらしちゃんは、3日間くらいはあまりごはんを食べず、こたつの中に引きこもっていた。しかし、1カ月も経つと、部屋の中でついて回ったり、ゴロゴロと喉を鳴らすようになった。頭の横で眠ることもある。

猫だけど、留守番は苦手

2016年、鈴木さんは、たびたび出張するようになったので、みたらしちゃんを1匹で留守番させておくわけにもいかず、実家に預けることにした。みたらしちゃんは、実家での生活にすぐになじんだ。実家には保護犬のコロンちゃんがいたが、2匹は仲良く暮らすことができた。2018年から鈴木さんはパートナーの中島さんと暮らし始め、1匹で留守番させる時間が減ったので、再びみたらしちゃんと暮らし始めた。どちらか一人でも家にいると嬉しいようだという。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)