近頃は和菓子のデザインも多様化し、おしゃれなパッケージにはいったモダンなデザインのものが、写真映えすることからもお土産として人気です。そんななか、明治41年創業の老舗御菓子司「玉井屋本舗」(岐阜県岐阜市)が12月13日に発売した「下剋上鮎」。

 和モダンのきれいなお菓子なのかと思いきや、よく見ると様子がおかしい。魚が鳥を食べている? なんでしょうか、このシュールなお菓子は。SNSでは「下剋上鮎て。」「なんて可愛いデザインなんだww」「下剋上鮎ちょっと欲しいw」との声があがっています。開発した白木佑典さんに聞きました。

 ──なぜ魚が鳥を丸のみしてるんですか?

 「玉井屋本舗」は、鵜飼(うかい)で知られる長良川のそばにあります。鵜飼は鵜に鮎をのみ込ませて魚を捕る1300年以上続く伝統漁法です。来年スタートする大河ドラマ『麒麟がくる』の主人公・明智光秀が岐阜出身ということにちなんで作りました。鵜飼漁によって何百年と一方的に食べられてきた鮎が、明智光秀のように一世一代の謀反をおこすというストーリーです。

 ──鮎と鵜だったんですね! そして鮎が謀反をおこす!?  インパクトのあるデザインです。

 和菓子は「格式高くてかしこまった感じがする」「気軽に食べにくい」と若い世代に敬遠されるところがあります。『麒麟がくる』の放送をよい機会ととらえて、味は本物の和菓子でありながらもSNSにアップしたくなるようなデザインという「手に取りやすい和菓子」の開発にチャレンジしました。「鮎が鵜を食べようとしている」様子を再現するためには素材に一定の強度が必要だったため焼き菓子になりました。

 ──大河ドラマがきっかけで注目されるといいですね。

 大ヒット映画「君の名は」もあわせて岐阜に注目が集まりつつあることは大変うれしいです。岐阜は位置としては日本の中心にありますが、特に近代以降あまりその魅力を伝え切れていないエリアです。今回の大河ドラマを機に少しでもその魅力を知ってもらい、足を運んでもらえればと思います。

 ──「下剋上鮎」は、玉井屋本舗のお店以外でも買えるのですか?

 JR岐阜駅構内やオンラインショップで販売しています。下剋上鮎はその名の通り、験担ぎの和菓子です。絶対に負けられない野球の試合前や、入学試験の受験前など、人生の大きな転機にお役立てください。

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 「しかしあるとき、鮎は考えた。先祖代々、鵜に呑み込まれ続けて早や一三○○年。このままで良いのだろうか。いや、良いはずがない。」と、鮎の決意が感じられる、こちらのストーリーも秀逸です。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)