東京都では、連日のように新型コロナウイルス新規感染者が4日連続で200人を超えるなど、第2波が危惧されている。営業を再開したパチンコ・パチスロ店の客足は戻りつつあるものの、来客そのものは大幅減。そんな中、パチンコ店の「断密」啓発PRに起用されたのは…。やはり、芸名にちなんだあのタレントだった。

 都内に数店舗を構える中規模チェーン店の店長はしかめっつらを浮かべる。

 「厳しいですね。お客様はなかなか戻って来ません。今回のコロナ禍で営業の自粛期間がありました。お客様もコロナ感染を怖がり、なかなか店に足が向かないようです。さらに4月から始まった禁煙条例も相まり、大打撃なのは間違いありません」

 今年の4月から「健康増進法」が施行され、「屋内原則禁煙」へ。さらに、五輪を開催する予定だった東京都では、より厳格な「東京都受動喫煙防止条例」が同時に施行された。これにより「健康増進法」では適用外だった飲食店なども軒並み対象となり、ほぼ全面的に禁煙へ。もちろん、パチンコ店もご多分に漏れず禁煙対象となった。

 ただし、もともと客に喫煙者が多く、いまや迫害レベルで肩身の狭い喫煙者がタバコを吸うために訪れ、憩いの場にもなっていたパチンコ店。それだけにタバコの煙対策は万全だった。1時間に10回も空気を入れ換えることができる大規模な換気システム、あるいは花粉やタバコの煙、PM2.5などを根こそぎ排除する大型空気清浄器を多数設置。表示されている数値も基準値を大きく下回っており、実際、外の空気よりきれいと言っても過言ではない。

 今回のコロナウイルス対策にも、空気清浄器などをフル稼働。もともと分煙板として台と台の間に設置されていたアクリル板もそのまま活用している。入店時も行列ができないようモバイル抽選をし、とにかく密集、密閉、密接を避け、最大限に感染予防をしている。

 そう、密を断つ「断密」作戦だ。先日、あるパチンコ店をのぞくと店頭には「断密」と書かれた大きなポスターが掲げてあった。その隣には、これまた小さく「断密」と書かれ、黒髪の美女が悩ましげな視線を送っているではないか。

 「んんっ!?この美女は。『壇蜜』やないかい!」と、思わず関西弁でツッコまずにはいられない衝撃。「壇蜜」と「断密」。なんやこれ!しかも、そこには「言い訳はさせないわよ」とも書いてあり、素直に「はい」と、ひざまづいてしまう雰囲気を醸し出している。

 実はこれ、タレントの壇蜜とコラボし、インテグレート株式会社(東京・港区)から販売された「パチスロ言い訳はさせないわよ!by壇蜜」という新台パチスロのポスターなのである。そういえば、壇蜜は芸名にちなんで「断密」をSNSなどで呼びかけて話題になっていたが「言い訳はさせないわよ」というのは一体、どういうことなのか?

 その答えを同社の近藤克哉代表取締役社長に聞いてみた。

 「現行機に対し、プレイヤーが感じているという”当たらない””勝てない”などの言い訳をさせないスペックを実現しました。つまり、大当り確率が約1/110〜約1/94で、どの設定でも、1/2以上で100G以内の連チャンが体験できる当たりやすさに加え、完全攻略時は最低設定でも出玉率100%を超えるという甘いスペックになっています」

 なるほど、そういうことか。近藤さんが付け加えた。「販売するお店にも事前にしっかり伝えています。売上は上がりません。稼働が上がる台ですよ」と。

 もしやこれは、負けて言い訳してたら壇蜜に怒られてしまうような激甘台なのではないか。えっ、むしろ怒られたい?まあ、そういう方もいらっしゃるだろうが、やはり勝ちたいのがギャンブラーの心情だ。

 それにしても一体だれがこのインパクトのある言葉遊びを考案したのだろうか。近藤さんによると「パチンコ店のコロナ感染予防の啓発に何か力になれればと考えていたところ、販売促進チームからこの案が出てきました」とのこと。とことん客のことを考えてくれているメーカーのようだ。

 実際に打ってみると、台に座った瞬間からの”壇蜜力”が凄い。上下左右から壇蜜に見つめられている感じ。これはむしろ「断密」ではなく「壇密」だ。ファンなら泣いて喜ぶ1台。しかし現在、試験販売中で全国に300台しかない超激レア台とのことだった。運良く見つけたら一度打ってみてはいかがだろう。甘い蜜が吸えるかもしれない。

(まいどなニュース特約・上村 慎太郎)