たまたま通りかかった公園のわきに停まった車のボンネットの中にいた子猫。保護したのはいいが、里親を探してもらおうと保護団体に依頼しても、自分で探してくれと言われた。ひと月後、いよいよ里親を募集しようとチラシを作り、動物病院に貼ってもらおうとしたが…。

ボンネットの中にいた子猫

2006年10月の朝、大阪府に住む知華(ちか)さんは、コンビニに行こうとして近所の公園を通りかかった。すると、公園のわきに停まっていた車のボンネット中から猫の鳴き声が聞こえてきた。その場にいた少年が、車の持ち主を知っていると言い、呼びに行ってくれた。

すぐに車の持ち主の男性がやってきて、ボンネットを開けてくれた。ボンネットが開くと当時に子猫が飛び出し、あっという間に茂みの中に逃げていった。男性は、猫にはまったく興味がないようで、どこかに行ってしまった。

猫が逃げ込んだところは、大人では手が届かないところだった。少年が頑張って手を伸ばし、必死で捕まえてくれたという。ノミやダニがついていなかったので、捨てられてボンネットの中に迷いこんだのかもしれなかった。

里親って自分で探すの!?

知華さんは、スコティッシュフォールドのタマくんとぷぷちゃんを飼っていたので、3匹飼うのは荷が重いと思った。

「里親を探すつもりでした。保護団体に探してもらおうと思い、2つの団体に電話したのですが、断られました。自分で保護したのだから、自分でなんとかしてくださいと」

保護団体はボランティアの受け入れキャパがいっぱいのことが多く、保護したからといって猫を受け入れてくれるとは限らない。知華さんは、自力で里親を探すことにした。

名前はキララちゃんにした。キララちゃんは、家に連れて帰るとめちゃくちゃ怖がった。キララちゃんのいる部屋に人が入ると、猫用のトンネルの中に隠れてしまった。しかし、一週間もするとなれて、膝の上に乗ってきた。

「ほんまにいいんか」…もう手離せない

子猫を動物病院で診てもらうと健康だった。保護してから2週間ほど経った時、タマくん、ぷぷちゃんと会わせたが、お互いすぐになれた。特に、1歳違いのぷぷちゃんとは、姉妹のように仲良くなった。

知華さんは、子猫の里親募集のチラシを作り、動物病院に貼ってもらいに行った。待合室で待っていると、ご主人が「ほんまにいいんか」と声をかけてきた。

「里親を探そうか、うちで飼おうか、ずっと悩んでいたので、その一言で一気に『本当は飼いたい』という気持ちに嘘をつくことができなくなり、涙がこみあげました」

保護してから1カ月くらい一緒に過ごして、既にキララちゃんは我が子になっていた。手離せるわけがない。

保護した当時は、3匹も飼うなんて難しいと思ったが、意外とうまくいった。3匹の相性が良かったのも多頭飼い成功の秘訣だったという。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)