「驚きで鳥肌が立っています…。幻の『セメダインB号』が見つかりました…!」

 今月28日、接着剤メーカー「セメダイン」(東京)の公式ツイッターが、驚きに満ちたつぶやきを発信しました。約80年前のセメダイン「C号」が発見されたというニュースを見た人が同社に連絡。C号以上に全く謎に包まれていた「B号」、さらには商品名の由来になったとされつつも詳細が分からず“都市伝説”化していたという英国製の接着剤「メンダイン」も同時に見つかり、相次ぐ“奇跡”に同社もネットも騒然としています。きょう9月29日は「接着(くっつく)の日」―。

 同社によると、セメダイン「B号」は、社史の中に1行だけ、「戦前・戦時中、Cと同時期に売られていた」と書かれているだけ。戦後に作られた年表には「A号」と「C号」の記載はあるものの「B号」の記載はなし。パッケージの白黒写真はあるものの、主成分を始め、チューブの形やデザインも、何も分かっていなかったといいます。

 ところが今月初め、約80年前のC号発見のニュースが流れると、読者から「我が家に、今村化學研究所というセメダイン社の前身の会社が発売したセメダインCの前バージョンと思われるセメダインBというものが有りますよ。未開封です。おまけに同時代と思われる英国のメンダインという接着剤も一緒に出てきました!」という旨のメッセージが、まいどなニュースと同社に相次いで寄せられました。

 メッセージを送ったのは福岡県久留米市在住の男性(55)。ラジオが趣味で、10数年前にネットオークションで昭和のラジオ部品を購入した際、木の箱の中にチューブの「B」と「メンダイン」がむき出しで入っていたそうです。部品は昭和の一桁代のものとみられ「Bも、最初はCのバージョン違いなのかな?と思ったのですが、調べるとかなり古いもので一時期しかなかったようだ…と分かり、メンダインとともにこれは只者ではない―と思って保管していました」と男性。ニュースを見てすぐに寄贈しようと思ったといい、「小さい頃からプラモデルが好きで、セメダインCには相当お世話になってきましたし、こうやって本来あるべき所に戻せて、多くの方に見て貰えて良かったです」と話します。

 今回見つかった「B号」は、黄・赤・黒の3色使いは「C号」と同じですが、赤地に黒文字で「CEMEDINE B」と書かれていました。「色違いに当時の意図があったのか、どうなのか…」と同社広報。先日見つかったC号は一度使用していたため、ヒートンで栓をしてありましたが、今回のものは未開封で蓋などはなく、中はカチコチに固まっていたといいます。

 さらに、この「メンダイン」とはセメダインの創業(1923年)当時の日本市場を席巻していたイギリスの接着剤。国際情勢が緊迫化する中、「この接着剤を国産接着剤で攻め出そう→攻め出せメンダイン→セメダイン」と名がついた―と言われてきました。「ただ、社史や当時の新聞広告では名前を目にしても、実物はおろか写真すら残っておらず、社内でも半ば“都市伝説”化していた存在でした」と同社広報。「それが、いきなり本物が出てきたわけですから…。社内でも『実在したんだ!!』と…。B号とともに、もう驚きで、自分たちが在籍している間にこんな瞬間に巡り合えるなんて…。社員もOBも皆、興奮しております…!!」と声を上ずらせます。

 冒頭のツイートには、29日午後4時時点で7万件以上のいいねが寄せられ、「すごいですね!」「これはミラクル」という驚きの声や、日本接着剤工業会が2010年に制定した「接着の日(9月29日)」に絡めたり、「セメダインは人と人をくっ付ける効果もあったんやね?」なんてコメントも寄せられたり…。広報担当者も「多くの一般の方々と繋がれるネットの力って、こんなにすごいんだ…!と感動しています」と喜びを隠しません。

 ちなみに、まだ現物が見つかっていない「A号」もB号同様、ラベル写真が社内で保管されているのみといい、「ますます謎は深まるばかり。創業100周年に向け、それぞれの関連性なども含めて今後、紐解いていきたいです」と抱負を語ってくれました。

(まいどなニュース・広畑 千春)