未来の自動運転トラクタのコンセプトモデルがカッコ良すぎるとSNSで話題になっています。まずはともあれ写真を見てください。…まるでSF映画に出てくるロボットみたい。いざというときにはトランスフォーマーみたいに変形しちゃいそうじゃありません? こんなトラクタが田畑を走り回り、日本の農業を危機から救ってくれる時代が来るかもしれないなんて…みなさん想像するだけでワクワクしちゃうようです。

農機具大手・クボタが1月、未来農業のビジョンを表すために発表した「コンセプトトラクタ」です。同社は10月6日、米国の半導体メーカー・NVIDIA(エヌビディア)と、農業機械の自動運転を実現するために提携すると発表しましたが、その際にこのトラクタの写真も紹介され、未来を感じさせるデザインがTwitterなどで注目を集めていました。

日本の農業は高齢化に伴って働き手が減る一方、経営効率化のため規模の拡大が進んでおり、省力化と作業効率の向上を高める「スマート農業」の実現が求められているそう。同社では2017年に自動運転のトラクタを販売するなど、技術開発を進めてきたといいます。

今回のコンセプトモデルが目指したのは、人工知能や電動化技術などが備わった、完全無人の自動運転トラクタ。作物を収穫するまでに必要なあらゆる仕事を、AIの学習効果によって進化しながら、最適なタイミングで行えるようにするといいます。

そんなトラクタのデザインは、これまでの農機具のイメージとは大きく異なるもの。SNSには「何これカッコ良い」「凄いの来た!」といった声が続々と。こんな機械が登場しそうな映画やアニメ作品をツイートする人や、無人運転にもかわらず「むしろ乗りたい」「コックピット作ってほしい」と熱望する人もいました。

トラクタについて、クボタの広報担当者に聞きました。

―とてもカッコ良いデザインのトラクタですね。

「設計やコンセプトづくりなど社内で行いました」

―とてもメカニックで「戦隊ロボのよう」との声もあります。どうしてこんなデザインになったのでしょう。

「農業機械はあくまで作業機であり、仕事を全て任せられる頼もしいマシーンとしたいと考えました。ただし、近寄りがたく威嚇するようなカタチではなく、とても豊かな曲線・優しいフォルムで包んでいます。実物を見ていただくと、その流麗さを実感じていただけるかと思います」

―どのあたりが頼もしいマシーンを感じさせるデザインなんでしょうか。

「昔の農家には必ずいた『牛』を意識しています。とても大切にされ、愛されていたと聞きます。我々はその牛の存在を、トラクタデザインに投影しています。牛の無駄のない肉付きや踏ん張る姿勢は、とても魅力的であり、常に造形のヒントにしています。コンセプトモデルのフェイスは、牛をモチーフとし、力強さと親しみを込めています」

―確かに…あらためて見ると、牛のようなあふれるパワーが伝わってくる気がします。

「デザインを進める上で、最もこだわったポイントは、60年前に発売されたクボタトラクタ初号機である『T15』のオマージュです。クボタトラクタのDNAを受け継ぎ、そして未来に向け、見る人の心がワクワクするようなプロダクトを目指しました」

―確かにこんなトラクタが身近な田畑で動く世の中を想像すると、胸が高鳴りますね。ちなみにこのトラクタは実際に無人で動くことはできていたのでしょうか。

「実働にはまだ時間がかかります。あくまでコンセプトモデルです」

―このデザインのトラクタが今後販売される可能性はあるのでしょうか。

「実販売するまでには、法整備,インフラ整備も含め解決すべき課題が多数存在し、このままの姿での販売は非常にハードルが高いです。ただ、デザインにおいては現在販売されているトラクタで既に織り込んでいる要素もあります。コンセプトモデルは、単発・一過性のものではなく、あくまでクボタトラクタの過去、現在、未来へと繋がりを持って取組んでいる一端と考えています。今回の提案で各所からいただいた様々な意見、評価を真摯に受け止め、これからの開発に反映させていきたいと思っています」

   ◇   ◇

現在このトラクタは、同社のトラクタ・産業エンジンの生産拠点のひとつ・筑波工場の建物内に展示されているそう。同工場を見学する機会があれば、実物を見ることができるかもしれませんね!

(まいどなニュース・川上 隆宏)