このところ医学と離れた話ばかり書いてますが、テレビをつければ新型コロナのニュースばかり。もううんざりと言う方も多いと思いますので、せめて私のコラムではコロナから離れた話題を。で、今回は『赤身サカナ』と『白身サカナ』です。

 皆さんは刺身や寿司を食べるとき、見た目の色だけで赤身と白身を区別していませんか。たとえばサケは白身魚なんです。マグロは見た目どおり赤身ですが、実は筋肉や血液中に含まれるタンパク質の性質で分類するのが正解です。

 人間も同じですが筋肉には「遅筋」と「速筋」の2種類が存在します。広大な海水域を泳ぎ回っている回遊魚は、速いスピードで長時間泳ぐ必要があり、こういう長距離型の筋肉を「遅筋」と呼びます。酸素を運ぶヘモグロビンや、酸素を貯蔵するミオグロビンが大量に必要になり、この2種類のタンパク質には赤い色素が含まれているため、身も赤くなります。

 マダイやヒラメなどの白身魚は長距離の運動をしません。その代わり獲物を捕える時に素早く動ける筋肉が必要になります。瞬発的に動くための筋肉を「速筋」と言います。いわゆる無酸素運動なのでミオグロビンはほとんど必要ありません。そのため身は白っぽくなります。

 白身はタイ・タラ・ヒラメ・カレイ・フグ・アナゴなど。これは見た目でもわかりますが、赤身はカツオ・マグロ・ブリ・アジ・イワシ・サンマ・サバなど、見た目は白い魚が多いのです。

 で、サケの話ですが、これは食べているエサに原因があります。サケはオキアミやカニなどを主食としており、これらに含まれるアスタキサンチンがサケの身の赤さの元になっているためで、タンパク質から分類すると白身サカナなんですね。

◆松本 浩彦 芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。