「洋服の青山」などを展開する「青山商事」(本社:広島県福山市)が、就活スーツを4泊5日、3900円で貸し出すサービスを10月から始めた。青山、はるやまホールディングス、AOKIホールディングス、コナカの、いわゆる紳士服4大大手で初の取り組み。近年の面接服装自由化に加え、新型コロナウイルス感染拡大で会社説明会はオンライン化し、就活生のスーツの使用頻度が減っていることに着目した新サービスだ。だが、利用する学生にとって、これは果たしてお得なのか?

男性用は販売価格1万9千円(税別)のジャケットとパンツのセットで、サイズは細身小柄のYA体3号から、ゆったり大柄なBE体8号まで22型を用意する。パンツの裾は、あらかじめ標準的な長さに直してあるという。女性用は、販売価格1万7千円(税別)のジャケットとスカートのセットで、5〜15号の6サイズをそろえる。

いずれも黒無地のスタンダードな就活スーツ。利用する10日前までに最寄りの店舗で採寸、試着して予約。受け取り、返却も店頭で行う。新サービスの狙いについて、青山の広報部長、長谷部道丈さんに聞いてみた。

ーまずは単刀直入に、お得なんですか?

「学生さん向けに、かなり価格は抑えました。当社が2016年から提供している冠婚葬祭の参列者用の貸し衣装の場合、パーティードレスで6千円、モーニングコートで1万5千円ですからね。3900円は、社内でも驚きの声が上がったほどです。ただし、単純に計算して、5回以上利用するならば損しますね。購入した方がお得です」

ーでは、どんな人に向いているのでしょう?

「リモート就活を中心に進めたいと思っている学生さんや、私服面接が多い業界を志望する就活生には魅力的かもしれません。ちなみに当社の採用選考は、会社説明会の段階からスーツの着用をお願いしています。スーツの会社ですからね。もちろんレンタルを着て、来ていただいてもOKですよ」

ーほかにも想定している活用方法はありますか?

「スーツを着慣れていない学生さんは、ジャケットを着たまま飲食をして汚してしまったりすることもあるようです。レンタル代にはクリーニング費用も入っていますから、まずは慣れるまで、という人がいるかもしれません。または、自分のスーツを汚してしまった時の洗い替え用とか。就活終盤でスーツがすり減って買い替えが必要になった時にも便利かと思います」

ー狙いがわかりましたよ。レンタル受付のついでに、シャツや靴、かばんを売りつけようとしていませんか?

「ははは。確かに来店のついでにシャツなどを買っていただけるとうれしいですね。そういう狙いがないわけではないです。でも、学生さんのニーズに応えたいと思って考案したんですよ、本当に。新型コロナで親御さんの収入が減ったり、ご自身もバイト先に解雇されたりして、経済的に苦しい学生さんも多いと聞きます。就活スーツをめぐる選択肢の一つとして、上手に活用してもらえたらうれしいですね。利用者の声をどんどん取り入れて、価格や貸し出し期間なども見直していくつもりです」

レンタルサービスは「洋服の青山」全785店と、「ザ・スーツカンパニー」全48店で実施している。

(まいどなニュース/神戸新聞・中務 庸子)