一昔前はあまり耳にすることがなかった発達障害。最近ではニュースや子育てをする中で、発達障害という言葉を耳にする機会もあるのではないでしょうか。私たちは「発達障害」についてわかっているようで、わかっていないことが多くあります。発達障害を持つ方の中には周りに理解されにくいため、生きづらさを感じている方もいます。

平成24年に文部科学省が実施した調査では、通常学級に在籍する発達障害の可能性のある児童生徒は6.5%であると報告されました。また、平成28年に厚生労働省で実施された「生活のしづらさなどに関する調査」では、発達障害を持つ人は推計48万1000人いるという結果が出ました。

私の友人はシングルマザーで小学校2年生の女の子がいます。彼女は今年の春、発達障害を持つ子どものために一大決心をしました。

■小学校2年生が生きづらさを感じる毎日

彼女の子どもAちゃんは、とてもお絵描きが上手で虫が大好きです。通学路で虫を探すことが日課となっており、朝は笑顔で学校に行くのですが、帰りは毎日泣きながら家に帰ってくるのです。

彼女がAちゃんになぜ泣いているのか聞くと「嫌なことを言われたけど、自分が悪いの」「順番は絶対に守らなけれないけないの」と言うばかりです。

心配した彼女は学校に相談に行くと、いつもと違うことが起こると対応ができず困っている様子が見受けられる、学校でも配慮はしているがなかなか難しい場面も多くなっているとのことでした。

Aちゃんは小学校1年生の秋に発達障害と医師に診断されました。少しずつ成長していくにつれ、周りのお友達との関係がうまくいかなくなっていたのです。

■子どもの可能性を伸ばしてあげたい

彼女はAちゃんと話していく中で、学校が苦痛になっていることがわかりました。もちろん小学校は義務教育であり、学ぶことはたくさんあります。しかし、いまのAちゃんにとって大切なことは漢字や九九を覚えることではなく、自分の可能性を見つけ自己肯定感を高めることだと彼女は考えました。

彼女は何日も何日も悩んでいました。どうやったらAちゃんの可能性を伸ばしてあげれるかを。

そして彼女はひとつの方法を見つけました。それは車で日本一周旅行をすることでした。これまで見たことのない風景や人と触れ合うことで、Aちゃんに勉強とは違ったものを感じ取ってほしいと考えたのです。

■学校を1年間休むと伝えたときの校長先生の反応

彼女が一番心配していたのは、学校の反応でした。

「反対されるのではないか」

「大ごとになるのではないか」

そんな心配をしながら、彼女はAちゃんの担任の先生に1年間学校を休ませたいと伝えると、後日校長先生・教頭先生・担任の先生と話し合うこととなりました。

彼女の心配をよそに、校長先生はしっかりと話を聞いてくれて、週に1回必ず電話でAちゃんと話をさせるという約束のもと、1年間の休学を認めてくれたとのことでした。

校長先生は「多様な時代であるからこそ、学校で学ぶことができないことをぜひ学んでほしい。ただ、勉学に関しては定期的にテストやプリントを郵送するので、親子で取り組んでほしい」と言われたようです。

そしていま彼女は新型コロナウイルスの感染予防をしながら、Aちゃんと日本を旅しています。

週に1度届くLINEには、にこにこ笑顔のAちゃんから楽しそうな様子がうかがえ、多くのことを日々学んでいるのだなと感じています。

小学校を1年間休んで行う日本一周旅行には賛否両論あると思います。しかし、生きづらさや抱えている悩みは本人じゃないと、わからないということはたくさんあります。

私は同じシングルマザーとして、彼女のように子どもとしっかり向き合えているのか考えさせられました。

そしてAちゃんの学校の校長先生の考えに感銘を受けました。

これからの社会は「多様性を認める」ことがとても大切であると感じた出来事でした。

ちなみに彼女はフリーランスでプログラマーとして、旅をしながら仕事もこなしています。こうしたことからも、多様な社会になりつつあるのだなと実感しています。

(まいどなニュース特約・長岡 杏果)