川辺に十数匹のブランド猫が捨てられていた。ブリーダーが遺棄したと考えられている。大阪府に住む嶋田さんに、運よくレスキューされた猫のうち1匹を飼わないかという話が舞い込んだが、嶋田さんは、里親になったばかりの子猫を亡くしてから、まだ日が浅かった。

引き取ったばかりの子猫を亡くして

嶋田さんは2017年10月、子猫のゼロちゃんを知り合いから譲り受けたが、ゼロちゃんはわずか4日間で亡くなった。急遽、嶋田さんが飼うことになった子猫だったが、ゼロちゃんが亡くなったことは、嶋田家の人たちにとって大きな出来事だった。

「しばらく家族みんな元気がなかったのですが、我が家の2匹目の保護猫、アリスのことを教えてくれた友人から里親を探している猫がいると聞きました」

その友人の夫は、嶋田さんの夫の先輩だった。

「友人のご主人はゼロのことを知っていて、まだ四十九日も終わっていないから、猫のことは伝えないでそっとしておいた方が良いと言ったそうですが、私の息子経由で情報が伝わってきたんです」

川辺に遺棄されていた猫たち

里親を募集している猫は、川辺に遺棄されていた。ブリーダーが10匹以上のアメリカンショートヘアやマンチカン、ロシアンブルーなどを捨てたと考えられている。動物病院の獣医師も保護に関わった。川沿いに住む人の中には、「この子はうちに来たから飼おうと思っている」と診察に来る人もいた。3日後、大雨で川は氾濫危険水域に達したが、その前に保護された猫たちは強運の持ち主だったのかもしれない。

獣医師は、4匹の猫を保護して里親を募集した。嶋田さんに話が舞い込んだのはそのうちの1匹で、アメリカンショートヘアだった。獣医師は、その柄にちなんでカブちゃんと呼んでいた。

「できたらアメリカンショートヘアのことを知っている人に飼ってほしい」と獣医師が希望したので、カブくんは、アメリカンショートヘアのサリーちゃんを飼っている嶋田さんのところに来ることになった。名前はカブくん改めレオンくんにした。

推定1歳。まだ嶋田さん宅には猫用のケージがなかったので、一旦ソフトケージに入れた。先住猫のサリーちゃんとアリスちゃんが激しく威嚇したので、長男の部屋にソフトケージごと移動した。しかし力が強い子だったので、夜中大暴れ!ソフトケージごとひっくり返り、長男もお手上げ状態になるくらい元気だった。

昔、どんな暮らしをしていたのか

レオンくんは、ちょっとその場の空気を読めない子だったが、少しずつサリーちゃんやアリスちゃんとも打ち解けた。

「なんといっても性格の良い子で、甘え上手。猫からも人からもとても好かれる猫になりました」

 ゼロちゃんが亡くなって少し元気がなかった嶋田家。レオンくんが来たことで、明るさが戻ってきた。

保護される前、レオンくんがどこでどんな生活をしていたのかは何も分からないが、嶋田さんは、時折考える。今ではふっくらというよりやや肥満気味になったが、保護した当時は顔が大きいのに体が細い、とてもアンバランスな体型だった。悲しい過去かもしれないが、少なくとも、現在、レオンくんは嶋田家の元気の源になってくれている。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)