一人暮らしのつぐみさんは、実家で飼っている猫にたびたび会いに行っていた。ところが2匹のうち1匹を亡くし、ペットロスになってしまった。一方で、猫と過ごした時間はかけがえのない時間、こうしている間にも救いの手を差し伸べないといけない猫がいる。今度は自分で猫を飼おうと思い立った。

救いを求めている猫がいる

2020年5月頃、ボランティアが地域猫のTNRをしている都内のとある場所で、3匹の子猫を育てている母猫が見つかり、保護された。後に、母子ともに保護団体が里親を募集した。

東京都に住むつぐみさんは、実家で猫を2匹飼っていた。実家を出てからは、猫のいない生活が寂しくて、よく猫に会うために実家に帰っていた。しかし、1匹が亡くなったことでペットロスに陥った。

「もうこんなに辛い思いをしたくないと思う反面、猫と暮らした時間が自分にとってとてもかけがえのない時間だったことを再確認しました。私がペットロスで落ち込んでいる間にも救いを求めている猫はたくさんいることに気づき、保護猫と暮らそうと思いました」

一人暮らし、留守番もある生活にぴったりの猫

つぐみさんは、都内では数少ない一人暮らし向けペット可物件を探し回り、10月初旬に引っ越した。譲渡サイトをくまなく探し、「単身可」という条件にあてはまる成猫を毎日チェック。すぐに子猫を育てていた母猫をみつけ、会いに行ったという。

「なんと言っても可愛かったんです!ちょっと短足なフォルムがものすごくタイプでした。私は独身一人暮らし、テレワークが増えたとはいうものの、もちろん出勤もします。留守番してもらわないといけないので、成猫であることは第一条件でした」

つぐみさんは、子猫の可愛らしさも知っている。できることなら子猫から育てたかったとも思うが、子猫の里親希望者が多いことも知っていた。

「人気のある子猫は、他の人が育てたらいい。私は、家族を待っている成猫を引き取ることにした。留守番の時間がある猫は、多頭飼いが良いとよく耳にしますが、譲渡サイトの紹介文には、『1匹で愛情を注いでもらう生活が一番理想』とも書かれていて、留守番がストレスにならないということも私のライフスタイルにぴったり合いました」

おてんちゃんが私を強くしてくれる

10月11日、つぐみさんは猫に会いに行った。母猫は、つぐみさんが思っていたより大きかった。とても膨よかで堂々としていた。

「なんだか悟りを開いた感じで、手を出すと頭をこすりつけてきてすごく可愛かったんです。性格は典型的なツンデレ猫でした」

10月26日、保護猫団体のボランティアが直接家に猫を連れてきてくれた。名前はお天道様のおてんちゃんにした。縁起が良さそうで、響きも可愛いと思った。

おてんちゃんは、ケージの中の屋根付きトイレにずっと引きこもっていた。ところが、夜中にニャッニャッという鳴き声が聞こえたのでうつらうつらケージを開けておくと、気付いたら寝ているつぐみさんの顔をのぞき込んでいた。

「成猫が心を開いていく瞬間を感じるのも、子猫の成長を見るのと同じくらい楽しいものです」

おてんちゃんは、大人しいかと思いきや、ゾーンに入るとかなりハッスルする。

「あなたは誰?と思うくらい暴れまくっています。甘えん坊タイムになるとすぐ甘噛みします」

爪切りが大大大嫌い!どうにか攻略しなくてはいけないが、ネットに入れても袋に入れても暴走が止まらない。温かいお湯にウェットフードを入れたスープが大好きで、お湯を沸かすたびにおねだりする。

おてんちゃんを迎えてから、つぐみさんは寄り道をしなくなっただけでなく、精神的にも強くなった。

「仕事で辛いことがあっても、おてんちゃんがいれば乗り越えられる!いてくれるだけで幸せです」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)