クリスマスを前に、真夜中の駿河湾で豪華客船「にっぽん丸」が描いた航跡図が、「素敵すぎるプレゼント!」と話題を呼んでいます。

 それは、毎年恒例の「サンタクルーズ」のうち、23日に清水港を発着するワンナイトクルーズ。午後5時に出港し、乗客が眠りにつく午後11時過ぎから描いた航跡は、「ハート」に「XMAS」に、なんと「猫ちゃん」…!! 21日深夜〜22日未明にも相模湾でのサンタクルーズ中に「ハート」を描いており、その航跡に気付いたツイッターユーザーらがつぶやいたところ「粋なことする」「遊び心すげぇwww」などと称賛の声が寄せられました。

 にっぽん丸船長の二宮悟志さん(51)に聞きました。

―素敵なプレゼントですね。

「クルーズ船は入港時間に合わせ、船が揺れないよう、風が少ない所などを船を走らせ、時間調整をするんです。客室には航跡図のモニターがあって、普通は丸や四角に走るだけなんですが、せっかくならただ走るだけよりもお客様が朝目覚められた時、パッと見て喜んでいただけたら嬉しいな、と。広い海域と時間に余裕があるときには、こうしたプレゼントをさせて頂いています」

―目的地に向かう以外に、船が夜も動いているとは思っていませんでした。

「クリスマスクルーズは一晩だけという短い航海ですので…。船からの夜景や食事、船内のショーなどを満喫して頂くのはもちろん、少しでもお客様に船ならではの旅を楽しんで頂けたらと思って、これまでもハートやリボンを描いたこともあるんですよ」

―XMASの文字など、かなり難しそうな航路ですが…。

「折り返しに見えるところもバックではなく速度を落とし、その場で転回して、一筆書きのように描いています。今回は私が『こんな絵を描きたい』と伝え、航海士たちが、実際にどれぐらいの距離をどれぐらいの時間で走ればいいかをすぐに計算してくれ、計画を作ってくれました」

―すぐにできるんですか?

「そうですね。にっぽん丸では何度かこうしたプレゼントをしていますので、航海士たちも慣れているのもあると思います」

―どれぐらい時間をかけて描くんですか?

「21日出港の相模湾は4〜5時間、23日出港の駿河湾は8〜9時間ぐらいかかりました。こういう形の“XMAS”は、実は今回が初めて。当初はハートとXMASだけだったんですが、最後に時間が余ったので猫も追加しました。当直は4時間交代ですので、航海士たちが周囲の状況などを十分確認しながら、交代で描いてくれました」

―猫はお好きなのですか?

「ええ、大好きですね!」

 とのことでした。クルーズ業界は今年のコロナ禍で大打撃を受け、にっぽん丸も今年4月から運航を休止。その後、感染防止対策や設備を整え、11月2日からクルーズを再開しています。二宮さんやクルー、社員らは「暗い事ばかりだった2020年ですが、見て頂いた方が、少しでも明るい気持ちになって頂けたなら嬉しいです」と話してくれました。

(まいどなニュース・広畑 千春)