コロナ禍で一気に普及した在宅勤務。新しい働き方に対して、企業は従業員に対してどのようなサポートを行っているのでしょうか。外資系企業とグローバルにビジネスを展開する日系企業に対して行われた調査によると、20%の企業が毎月の在宅勤務手当を支給しているといいます。一方で、 65%の企業が「定期代の支給」を停止し、出勤日数に応じた支払いに変更していることが分かりました。

人材紹介会社エンワールド・ジャパン株式会社が11月に行った「新型コロナウイルス禍での企業の従業員サポート」についてのアンケート。269社から回答があり、このほど結果を公表しました。

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<1> 20%が「毎月、在宅勤務手当を支給」 日系企業の方が支給額が高い傾向

全社員、または、一部の社員に「在宅勤務を導入」している企業に「在宅勤務手当」を支給している聞くと、20%が「毎月、支給している」と回答しました(外資系企業:21%、日系企業:20%)。

「毎月、支給している」と回答した企業にその金額を聞くと、最も多いのは外資系企業で「3000円以上~5000円未満」(同:41%、33%)、日系企業で「5000円以上~10000円未満」(同:35%、39%) という結果に。「10000円以上」と回答した企業は日系企業が11ポイント高くなり(同:6%、17%)、日系企業の方が支給額が高い傾向がみられました。

「一時金(単発)を支給した」と回答したのは7%(同:5%、12%)で、最も多い支給額は「10000円以上〜50000円未満」でした。

※ 在宅勤務手当とは:通信費、水道光熱費などの手当、在宅の労働環境整備/維持のための手当

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<2> 65%の企業が「定期代の支給」を停止 出勤日数に応じた支払いに変更

在宅勤務手当以外の手当の支給状況について聞きました。通勤手当については、65%の企業が「定期購入費用の支給を停止、出勤日数に応じて支払い」と回答(外資系企業:67%、日系企業:62%)しました。

感染対策手当を支給している企業は7%(同:6%、8%)、新型コロナウイルス対応業務手当を支給している企業は5%(同:4%、6%)と少ない割合でした。

※感染対策手当とは:マスクや消毒液などを買うための補助金
※新型コロナウイルス対応業務手当とは:感染リスクが高い業務に従事している社員への手当

…なお、新型コロナウイルスの影響で、具体的に下記のような待遇や福利厚生の変更事例があったといいます。

・希望者への自動車通勤の許可(外資系企業/製造業・工業・自動車)
・出社週3日未満の社員への通勤手当廃止(外資系企業/医療・製薬・ライフサイエンス)
・通勤手当支給を減額(外資系企業/輸入販売)
・緊急事態宣言時にオフィス出社が必要だった社員への補助金給付 (外資系企業/医療・製薬・ライフサイエンス)
・自転車通勤を許可(日系企業/医療・製薬・ライフサイエンス)

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<3>在宅勤務の社員のパフォーマンス維持・改善のための取り組み、第1位は「在宅勤務のルール作成」

在宅勤務・リモートワーク環境下で社員のパフォーマンスの維持・改善のために開始した取り組みを聞くと、第1位は「在宅勤務・リモートワークの規則/ルールの作成」(外資系企業:52%、日系企業:66%)でした。

外資系企業と日系企業で最もポイント差が大きかったのは「在宅勤務・リモートワークの働き方のコツ、ティップスの共有」で外資系企業が17ポイント上回りました。(同:38%、21%)

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<4> 在宅勤務の社員のエンゲージメントの維持・改善のための取り組み 第1位は「会社や働き方への満足度調査」

在宅勤務・リモートワーク環境下で社員のエンゲージメントの維持・改善のために開始した取り組みを聞くと、第1位は「働き方への満足度調査」(外資系企業:26%、日系企業:23%)でした。

外資系企業と日系企業で最もポイント差が大きかったのは「全社ミーティングの実施/回数増加」で外資系企業の回答が22ポイント上回りました。(同:25%、3%)

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<5>61%の企業が、社員の心身の健康維持を目的に上司との定期的なミーティングを実施 外資系企業では日系企業と比べ、専門家の相談窓口設置が多い

在宅勤務・リモートワーク環境下で社員の心身の健康維持・改善のために行っていることを聞くと、第1位は「上司との定期的なミーティングの実施」(外資系企業:58%、日系企業:67%)でした。日系企業が外資系企業の回答を9ポイント上回る一方、外資系企業では「専門家の相談窓口の設置」で日系企業を18ポイント上回り(同:39%、21%)、それぞれの企業の特色がみられる結果となりました。

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<6>約70%の企業が「ノートパソコンの支給・貸し出し」を実施。約40%の企業がフレックスタイム制度を導入

在宅勤務・リモートワーク環境下で社員の労働環境整備・改善のために行っていることを聞くと、第1位は「ノートパソコンの支給・貸し出し」(外資系企業:69%、日系企業:70%)でした。「フレックスタイム制の導入」と回答した企業の合計が39%(同:37%、41%)となり、働く場所だけでなく、働く時間においてもより柔軟性が高まっている傾向があることが見て取れます。

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アンケート結果について同社は「感染リスクのない労働環境提供のためには、柔軟な働き方やリモートワークにシフトすることはもはや不可欠です。したがって、企業が可能な限り従業員の働きやすい環境づくりに投資をすることやベストプラクティスに目を向けるのは当然のことと言えます」と解説。また、「今後も、新型コロナウイルス流行以前の環境に戻ることは考えにくいため、従業員のニーズや課題を理解し、うまく働き方をマネージしていく必要があるでしょう」と述べています。