きなこちゃんと海くんは、まるで姉弟のように仲良く暮らしていた。しかし、海くんは若くしてFIPという病気になり、亡くなってしまった。愛知県に住むUさんは、Uさん自身が寂しかったこともあるが、きなこちゃんのために新たに猫を迎えることにした。

■相棒の猫を亡くしたきなこちゃんのために

愛知県の動物保護管理センターに、生まれて間もない4匹の子猫を飼い主が持ち込んだ。4月21日生まれで9日後に保健所が受け入れ、目が開く寸前だったという。動物保護管理センターから連絡を受けた「ねこねっとあま」という保護猫団体が5月1日に引き出し、ミルクボランティアがミルクを飲ませて育て、その後、預かりボランティアにバトンタッチしたそうだ。

愛知県に住むUさんは、2018年2月、愛猫海くんをFIPという病気で亡くした。

もう1匹の猫、きなこちゃんは海くんと姉弟のように暮らしていたので、寂しかろうと思い、新たに猫を迎えることにした。

「今思えば、きなこより私のほうが寂しかったのかもしれません」

Uさんは譲渡サイトで猫を探した。口元がとても可愛らしい雄の子猫が掲載されていて、Uさんはひとめぼれした。生後間もなく4匹一緒に保護された子猫のうちの1匹だった。すぐに掲載主のねこねっとあまに連絡をして、お見合いの予約をしたという。2日後の月31日、預かりボランティアさんの家でお見合いをした。

その時、4兄妹のうち2匹は先に里親が決まっていて、それぞれの家族のもとに巣立っていた。

「写真で見た男の子は妹猫と仲が良く、2匹で寄り添う姿を見たら引き離すことができなかったのです。迷わず兄妹ペアで引き取りました」

■定番のご挨拶、シャー!

3日後の2018年8月3日、預かりボランティアともう一人のボランティアが、Uさん宅に2匹を連れてきてくれた。

洗濯ネットに入っていたのでネットの口を開けると、2匹は恐る恐る出てきた。先住猫のきなこちゃんは、キャットタワーの上からじっと見つめていたが、降りてきて近づくと、お決まりのあいさつ「シャー!」を繰り出した。威嚇するというより、新入りの2匹の登場に少し驚いているようだった。

男の子はくま五郎という名前がついていた。くまの人形のようだったのでくま五郎になったという。Uさんは、「くま」という名前にしようと思ったが、「五郎」がついていたほうが可愛いと思い、くま五郎という名前のままにした。女の子には「ちびこ」という名前がついていたが、先住猫がきなこちゃんなので、きなこといえばあんこ、「あんこちゃん」という名前にした。

■初めて知った保護猫団体

くま五郎くんは甘えん坊で超ビビリ。あんこちゃんはツンデレの怒りん坊で、Uさん宅の食いしん坊ナンバーワン。2匹とも手を伸ばしてウルトラマンスタイルでいることが多いという。

最初、きなこちゃんは戸惑っているようだったが、少しずつ距離が近づいた。2匹は先住猫きなこちゃんに一目置いている。今ではUさんが仕事から帰ると、3匹揃って留守番のごほうびをねだることもある。

Uさんはくま五郎くんとあんこちゃんに出会って、初めて保護猫団体のことを知った。ねこねっとあまの譲渡会に行き、猫のごはんを差し入れることもある。くま五郎くんとあんこちゃんの預かりボランティアさんと今も交流があり、その人が可愛い首輪を作って譲渡会の時に販売するので、くま五郎くんとあんこちゃんは、ずっとその人の愛情がこもった首輪を着けている。

「くま五郎とあんこに出会い、いつか預かりボランティアをしてみたいという気持ちが芽生え、炎天下や寒空の下で過ごす野良猫がいなくなればいいと強く思うようになりました」。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)