これは友人である宮城県在住のAさん(30代・会社員)の話です。Aさんとは学生時代、共通の友人を通して出会い、現在まで20年来の付き合いがある友人です。

Aさんは発達障害児を育てるシングルマザー。

Aさんの息子さんが発達障害の診断を受けたのは6歳(年長)のときだったそうです。乳幼児期から話し方や学習面ではとくに問題がなかったのですが、行動が幼く、目が離せないことが多いという話を当時Aさんからよく聞いていました。

私自身、何度も息子さんと会っていますが、見た目や話す言葉に障害があるような感じはせず、むしろ難しい表現をよく知っているなと感心することもあったほどです。障害があると聞いたときは本当にビックリしました。

「Aさんの息子さん、発達障害児って聞いたんだけど」

診断を受けてからというもの、少しずつ同じような子どもを育てる母から悩み相談を持ちかけられることが増えているとAさんは話します。

相談を持ちかけられることが増えたのは、Aさん自身が息子の発達障害を隠さずに、生活していたからではないかと言っていました。

「Aさんの息子さん、発達障害児って聞いたんだけど」から始まり、「実はうちの子、気になることがあって。でも誰に話したらいいのかわからないの…」と辛そうな表情で相談してくる母親たち。

Aさんは「子ども一人ひとり症状や特徴は違うから、一概には言えないけど」と前置きをしてから話を聞くようにしているそうです。

一人で悩む母が一人でも減りますように

話を聞くとき、Aさんはまず相手が「思っていること、抱えてきたことを吐き出させる」ことを優先しているとのことでした。「途中でアドバイスを挟んでも、彼女たちには受け入れる余裕がないから」とAさんは言います。その上で、自身の息子と似ている場合は自宅で行っている対処法や工夫を紹介し、違う場合は行政や病院へ相談することを勧めているそうです。

行政によって違いはありますが、子育て支援課や児童相談所などを通じ、児童精神科などを利用することで親子の困りごとを相談することができます。また、いきなりの行政への相談はハードルが高くて勇気が出ないという方はまず、学校のスクールカウンセラーや通級などで相談してみましょう。

「少しでもお母さんと子どもたちが悩むことが減れば」とAさんは笑顔で話します。

現在のAさん自身はというと、息子さんの療育や保護者の方々からの相談を受けることでカウンセラーや相談員として働くことを目標にし、行政の子育て支援課で働きながら資格取得に励んでいます。

(まいどなニュース特約・長岡 杏果)