新型コロナウイルスが感染拡大して初めての冬を迎え、6割以上の人が「例年と比べ、冷えや寒さがつらい」と感じていることがわかりました。感染対策のための窓開け換気の影響もあり、家の中や職場、バスや電車といった屋内での冷えや寒さを感じている人が多くなっているといいます。

女性に向けて心身の健康に役立つ情報を発信している「ウーマンウェルネス研究会supported by Kao」が2020年12月、「身体の不調と冷え」について首都圏在住の553人(20代〜50代男女)を対象に行った調査です。

例年と比べて冷えや寒さをつらいと感じるかという問いに、「感じる」「どちらかと言えば感じる」と答えた人は63.7%。また、どのような場所で冷えや寒さを感じているかと聞くと、「家の中」が74.3%、「職場」が34.4%、「電車・バス」が24.1%、「飲食店」が12.0%という結果になりました。

また、2人に1人が「例年と比べ、首・肩のコリを感じている」といい、そのコリは冷えや寒さを感じている人ほど現れていることも明らかになったといいます。

このような今冬ならではの冷えや寒さによる身体の不調について、同研究会は“自粛冷え”と名付けて注意を呼びかけています。あわせて、「せたがや内科・神経内科クリニック(東京・世田谷)」院長の久手堅司氏による解説を紹介しています。

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今冬ならではの“自粛冷え”の要因

1)厳冬+窓開け換気による室内冷え

今年の冬は10年ぶりのラニーニャ現象の発達による厳しい寒さに加え、感染症対策として、こまめに窓を開けて換気をしていることもあり、屋外だけでなく、室内でも冷えや寒さを感じやすいようです。

2)自粛生活での運動不足による血行不良

テレワークや自粛生活が続き、外出の機会が減ったことで多くの人が運動不足を感じています。運動不足により、血行不良となり冷えが加速しています。

3)不安やストレスによる、自律神経の乱れで起こる血行不良

コロナ禍の現在、例年と比べ、9割以上の人が外出時に感染予防を意識して緊張を感じているなど、日常的にストレスにさらされていることが伺えます。ストレスにより自律神経が乱れると、血行不良となり、また体温調整がうまくいかなくなり、冷えやすくなります。

様々な不調を引き起こす身体の冷え

2人に1人が例年に比べ、首・肩の不調を感じていることの背景には、「冷え」が大きく関係しています。身体が冷えると筋肉が硬くなり、首・肩のコリが更に悪化してしまいます。また、疲れやだるさ、胃腸の不調など様々な身体の不調を引き起こします。

▽自粛冷えには「首温活」が効果的

首には頸動脈という大きな血管があり、皮膚のすぐ下を走っています。首を冷気にさらすと、この頸動脈が冷え、大量の血液が冷やされ体温が奪われてしまいます。逆を言えば、首を温めることで全身を効率よく温めることができるのです。また、副交感神経が優位になることで緊張がほぐれ、血流が良くなります。血流が良くなることで、疲労物質が押し流されるため、首・肩コリの改善に繋がることから、自粛冷え改善には「首温活」を始めてみましょう。

▽蒸しタオルや温熱シートで首を温める

首を温めると、温まった血液が全身をめぐり、血流が良くなるので、首・肩コリの改善にも繋がります。冷えや疲れを感じたときには、蒸しタオルを当てたり、外出時は温熱シートを活用したりすることで手軽に首温活ができます。

▽炭酸入浴で血行促進&リラックス
炭酸ガス入りの入浴剤を入れた38℃〜40℃のぬるめのお湯に15〜20分程度、首までつかりましょう。最初に首まで温めることで、全身の血行が良くなり、冷え、首・肩こり、疲労感がやわらぎます。また、副交感神経が優位になることでリラックスすることができ、ストレスの緩和に繋がります。

▽手軽に行えるストレッチ・マッサージ

【タオルストレッチ】

首にタオルを当てて、斜め上を向いたり、下を向いたりしながら、首まわりの筋肉をまんべんなくストレッチします。長時間デスクワークが続くときは、1時間に1〜2分程度行うのがおすすめです。

【耳マッサージ】

耳たぶの少し上を、水平方向に5〜10秒ほど引っ張ります。耳まわりがリラックスし、首がポカポカしてきたら、正しく行えている証拠です。繰り返しこまめに行いましょう。耳を上下に動かすのもおすすめです。

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■ 久手堅司(くでけん・つかさ) せたがや内科・神経内科クリニック院長。神経内科専門医、総合内科専門医、頭痛専門医、脳卒中専門医。東邦大学附属医療センター大森病院、済生会横浜市東部病院勤務を経て、2013年8月せたがや内科・神経内科クリニックを開設。