富山県に住む山田さんは、家族で野良猫が産んだ数匹の子猫を保護した。一人暮らしを始めた山田さんは最初に保護した姉妹猫を連れて家を出たが、意外にも姉御肌で気の強そうな三毛猫のミケコちゃんが分離不安症になってしまった。

市営住宅の敷地で野良猫が繁殖

富山県に住む山田さんは、2013年頃、近くの市営住宅で野良猫が繁殖し、子猫をみかけるようになった。何か月か経ち、実家の敷地に野良猫が2匹来るようになり、避妊去勢手術をうけさせるつもりでお母さんがえさやりをはじめたという。

2014年6月30日午前中、ごはんをあげていた野良猫2匹がかわいい子猫4匹を連れて庭に現れた。その日の午後から小雨が降り出したのと、ご近所に猫嫌いの家があったので、家族で子猫たちを保護することにした。当時は捕獲器の存在を知らず、玉網とキャリーバッグを用意した。

保護しようと近づくと危険を察知した猫たちが一斉に逃げたが、山田さんのお姉さんが2匹で逃げた子猫を庭の隅に追い込み、玉網で捕獲した。動物病院で診てもらったところ、2匹とも生後約3か月の女の子だった。後日他の子猫たちも保護、里親を探した。母猫はTNRの予定目前に交通事故に遭って亡くなったが、父猫はTNRできた。

妹猫を守るミケコちゃん

最初に保護した姉妹猫は目がただれて鼻水が出ていたので、あまり良い環境で子育てされていなかったのか、過酷な野良生活を送っていたと思われた。2匹は怯えていてくっついたままだったが、三毛猫はしっかりとお姉ちゃんのように妹を守っている感じだった。

実家には先住猫が1匹いたので、1か月ちょっと隔離し、猫風邪が完治してから会わせたところ、先住猫の面倒見がよく、3匹はすぐに仲良くなった。三毛猫はお姉さんが飼う予定だったが、後日残っていた子猫を保護したことと、2匹で保護した仲の良い姉妹を引き離すのがかわいそうになり、実家で2匹とも飼うことになった。

三毛猫は、三毛猫だから「ミケコ」と、最初に飼うつもりでいたお姉さんが命名した。

ミケコちゃん、分離不安で粗相

2016年、山田さんはミケコちゃん姉妹を連れて実家を出て一人暮らしを始めた。2018年春頃、ミケコちゃんに留守番をさせて、妹猫を病院に連れて行った日、ミケコちゃんが初めて粗相をした。それから何日も粗相をするようになり、ミケコちゃんを診てもらったところ、分離不安症の疑いと診断された。

「一人暮らしになってから溺愛しすぎたのかもしれません。サプリメントを飲ませてから粗相をすることほとんどありませんが、寂しいときにやってしまうことがあります。お姉ちゃんをがんばりすぎたのかと思うと愛おしくなります」

ミケコちゃんは、姉御肌で気の強いところもあるが、寂しがりやで甘えん坊。子猫の時から、腕につけたヘアゴムの結び目を見るとチューチュー吸う。気の強さとのギャップがたまらないという。

「他の子がいると思う存分甘えられず我慢をするので、1匹になったら思う存分ヘアゴムを吸わせてあげています」

他の猫たちからはゆるぎない信頼があり、ミケコのいるところに猫が集まる。

山田さんは、ミケコちゃん達を飼い始めてから一人暮らしをしたが、寂しいと思ったことがない。猫たちは仕事が忙しくてピリピリしている時もふっと優しい気持ちにさせてくれる。ソファをボロボロにされても許せる心の余裕ができだという。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)