あなたは「事故物件」に住んでみたいと思いますか? 全国の男女983人に聞いたアンケートによると、3割弱の人が「住んでも構わない」と答えていることが分かりました。また、サンプル数が少なく信用性には疑問符が残りますが、「年収が高い」ほど「事故物件に住むのはあり」と答える人が増える傾向がみられたといいます。調査した会社は「事故物件は『コストパフォーマンスを重視した人が我慢して住んでいる』といった一般的なイメージと現実は異なる」可能性を指摘しています。

不動産の売買・仲介・鑑定業務を手がける株式会社AlbaLinkが、全国の男女983人を対象に1月調査した「事故物件に住むのはありかなしかについての意識調査」で、結果をこのほど公表しました。

事故物件とは、前の住民が事故死、自殺、他殺などで亡くなった不動産物件のこと。一般的には敬遠されがちですが、「周辺相場より家賃が安くなる傾向がある」などのメリットがあるといわれています。2020年夏には亀梨和也さん主演の映画「事故物件 恐い間取り(原作:松原タニシ)」が公開されるなど、注目を集めています。

事故物件に住むのは「あり」と答えのは全体の28.6%

事故物件に住むのは「あり」と答えたのは、全体の28.6%でした。なお、住みたくないと答えた人は、以下のような理由をあげていたといいます。

   ◇   ◇

・霊感は無いですが、精神的に受け付けないので絶対に住みたくないです。(40代)
・仮に安い物件となっていても、金銭と別の問題があると困るため。(40代)
・知り合いが事故物件で失敗しているので私はなしだとおもいます。参考にならなかったらすみません。(30代)
・正直、気分が滅入りそうなのと怖いからです。(30代)
・事故物件に住んで怖い思いをした経験があるので、今後事故物件に住むのは絶対に嫌です。(30代)
・霊的なものを以前から見やすく知らなければ知らないほうがいい。(40代)
・何かあると事故物件に住んでるからではないか、と考えてしまいそうなため。(20代)
・実害が無くても、精神健康に影響して結果的に高くつきそうだから。(20代)
・幽霊などは信じていないけれど、何となく嫌。(30代)
・亡くなられた方も気の毒ですし、運気がよくない部屋だと思うから。(40代)

   ◇   ◇

…住みたくない理由として、多くは「運」「霊」「何となく」など、精神的・心理的な理由があげられていたといいます。同社は「精神的・心理的な理由以外を住みたくない理由として答えた方はいませんでした。それだけ、人は自分の住む場所に安心・安全を求めているといえるでしょう」と解説しています。

住んでもいい理由・第1位は「コスパが良いから」

一方、「住んでもいい」と答えた人にその理由を聞くと、第1位「コスパ(コストパフォーマンス)が良いから」(227票)、第2位「幽霊や心霊現象などは信じてないから」(99票)、第3位「入居しやすいから」(92票)という結果に。同社によれば「合理的な理由が大半を占めました」といいます。代表的な回答は以下の通りです。

   ◇   ◇

・亡くなられることは自然なことで、ただ1人だっただけなので気にならない。(30代)
・綺麗に清掃されていればよいと思います。(40代)
・幽霊や心霊現象は信じるが、今まで心霊スポットと言われるような場所に行っても、何か起きたことはないから。(30代)
・費用が安ければそれで良いかなと思います。(30代)

許容できるのは「孤独死」と「事故死」

また「住んでもいい」と答えた人に、「死因の許容範囲」を質問したところ、孤独死(204票:72.6%)と事故死(161票:57.3%)が大半を占めました。

そのほかの死因は、自殺(46票:16.4%)、焼死(16票:5.7%)、他殺(17票:6.0%)と、「あり」と答えた人の中でもかなりの少数派という結果に。なお、全部OK(30票:10.7%)という人も一定数いました。

ちなみに…収入が上がれば上がるほど「合理的」な傾向?

また、年収別に「事故物件に住んでもいい割合」を調べると、下記のような結果となりました。

▽200万円未満(426人)…25.1%
▽200万円以上400万円未満(309人)…27.8%
▽400万円以上600万円未満(167人)…34.7%
▽600万円以上800万円未満(52人)…30.8%
▽800万円以上1,000万円未満(21人)…47.6%
▽1000万円以上(8人)…50.0%

なお、今回のアンケート調査は「年収600万円以上」の人の回答数が非常に少なく、特に年収1000万円以上の人は8人しかいなかったといいます。そのため、同社はこの項目の結果について「信用性はかなり乏しい」と述べています。

しかし、この結果だけをみれば、「コスパを重視した人が我慢して事故物件に住んでいる」といった一般的なイメージと現実は、異なる可能性があるかもしれません。同社は「年収が高ければ高くなるほど精神論に振り回されず、合理的な判断ができるようになる、という解釈すらできそうです」と説明。「超高齢化社会の日本において『事故物件に住む』という選択肢は、案外合理的な判断なのかもしれません」とも述べています。