チビちゃん(4歳・メス)は、野良猫の母猫が産んだ子猫だった。母猫や姉妹と一緒に現れた。数日前にも同じ場所で2匹の子猫を捕獲し、家に迎えた笠松さんは、「このままでは野良猫がどんどん増えてしまう」と危機感を感じ、捕獲に乗り出した。

保護して一息ついた数日後に再び…

2016年6月、愛知県に住む笠松さんは、シロちゃん、クロちゃんという2匹の子猫を保護して飼っていた。勤めていた会社の近くのテニスコートのある施設内の芝地で暮らしていた野良猫たちを見守っていた時、キジシロの猫が出産して連れてきた子猫だった。シロちゃん、クロちゃんを保護して、やっと一息ついた数日後、キジシロの母猫と一緒にいたシャム系猫も子猫を3匹連れて現れた。笠松さんは、思わず「またぁ!」と叫んだ。笠松さんは、これは成人猫を手術しなければ永遠に増えてしまうと思い、成人猫捕獲・手術作戦を決行することにした。

子猫の捕獲を決行

三匹の子猫は、後に笠松さんが飼うことになるハチワレ猫のチビちゃんと黒猫二匹だった。シロちゃん、クロちゃんの時と同じように簡単に捕まると思ったが、チビちゃんたちは警戒心が強くなかなか捕まらなかった。

ごはんの時も人がいると近づかず、人がいなくなったら出てきて食べた。笠松さんたちは、まずは仲良くなろうと思い、猫じゃらしのおもちゃで遊んだ。子猫たちは、数日すると近くでご飯を食べるようになった。

これなら捕まえられると思い、帰宅後夫ともう一度現場に戻り、捕獲作戦を決行。猫じゃらしのおもちゃで遊び、タモで狙うが失敗した。一度失敗するとチビちゃんたちが警戒したので、その日は断念した。

週末、もう一度夫と現場に行って再度チャレンジ。

「もう7月になっていたので暑かったこともあり、早く保護してあげなければ、今日絶対に保護するぞと決意しました」

慎重に猫じゃらしで遊びながらタモで狙うと、見事チビちゃんの捕獲に成功した。シロちゃん、クロちゃんの時もそうだったが、何度捕まえても母猫と離す時は心苦しかった。黒猫2匹も別の日に保護したが、さすがに5匹飼うのは難しかったので、事情を知っていた会社の専務にお願いしたら、「うちで2匹飼うよ」と言ってくれたという。

大人猫もTNRしないと

猫を増やさないためには、母猫や父猫も捕獲しなければならなかった。しかし、成猫はすばしっこくて頭が良いので、タモではなかなか捕まえられなかった。段ボールで追い込んでタモで捕まえるという方法もやってみたがダメだった。

笠松さんは、捕獲器を貸してくれるところを探し、地域猫の会という団体に連絡。事情を説明し、捕獲機を借りた。虐待目的で捕獲する人もいるため、捕獲機の貸し出しには直接会う必要があった。翌日、いつもごはんをあげる場所に捕獲機を2つ設置。中には猫たちが大好きなツナ缶を入れた。最初にシロちゃんたちの母猫が捕獲機に入った。捕獲器の中で暴れている姿は可哀そうだったが、「手術が終わったらすぐ離してあげるからね」と、笠松さんは声をかけた。他の猫も順次TNRしたという。

不妊手術をしたら別猫に

シロちゃん、クロちゃんを迎えてから一週間後、猫たちがソファーの下へ行く回数が減り、抱っこできるまでになっていた。その頃チビちゃんを保護したのだが、チビちゃんは動物病院で検査をしてもらうと、お腹に虫がいることが分かった。投薬して、虫がいなくなるまではシロちゃん、クロちゃんと隔離した。

治療が終わった翌日、シロちゃん、クロちゃんと対面させると、まだ子猫だからなのか、兄妹だからなのか、すぐに臭いを嗅いで一緒に遊び出した。笠松さんは、猫同士は大丈夫だと安心した。

チビちゃんは本当に警戒心が強く、シロちゃん、クロちゃんが人と遊んでいても遠くから眺めていた。呼んでも反応しない。

「こんな調子で仲良くなれるのかとても心配でした。あきらめずに声掛けしながら猫じゃらしで誘い、おやつを手に乗せて近づこうとしたのですが、距離は縮まりませんでした」

ところが、12月に避妊手術をして、一泊して帰ってくると別猫になっていた。甘えた声ですぐに笠松さん夫妻に近づいてきた。「本当にチビなの?」と思うくらい別猫のようになっていた。笠松さんは驚いたが、とても嬉しかったという。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)