カイちゃん(2歳・メス)は、駐車場に留まっていた車のボンネットから中に入りこんでしまい、ニャアニャア鳴いていた。駐車場の向かいの住人は猫を飼っていたが、ちょうどもう1匹いたら楽しいだろうなと考えていた。助け出した後は「運命」を感じて、すぐに引き取った。

車の中に入り込んだ子猫

2019年6月、千葉県に住む松田さんが庭の手入れをしていると、家の前の月極の駐車場で隣人が車の中をのぞき込んでいた。その車の中から子猫の鳴き声がしていて、どうやらボンネットの中から下に入り込んだようだという。前日降った雨のせいで肌寒かったので、入ってしまったのかもしれなかった。

駐車場の管理会社の看板も無く、連絡先が分からない。警察に相談したら警察官が来てくれたが、車の所有者が会社名義なので連絡がつかないと言われた。松田さんは家から猫じゃらしとCIAO ちゅ〜るを持ってきて、下の隙間からにおいをかがせるようにした。1時間くらいかかったが、子猫がつられて顔を出したので、隣家のご主人がすかさず捕まえてくれたという。生後2、3カ月で、とても小さかったという。

運命でしょ!

周りに母猫や他の子猫の姿が見当たらず、そのまま放置することもできないので、松田さんは「保護します」と言った。

松田さんは、マナちゃんという3歳の猫を飼っていたが、マナちゃんにも仲間がいたら楽しいかもしれないと思っていた。ただ、相性が心配で、考えていたら2年経ってしまった。そうしたら偶然子猫が現れたので、「運命でしょ!」と思い、迷わず迎えることにした。

車の中から出てきた子猫の顔を見た瞬間、「可愛い!」と、一目惚れした松田さん。猫風邪で目やにもひどくて目を開けられず、肉球も火傷していたので、とりあえず動物病院に連れて行った。子猫は元気だったので、ごはんをあげるとガツガツと食べた。

2匹の猫と暮らせて幸せ

ハワイ語で「海」という意味の「カイ」という名前にした。男の子のような名前だが、他に思いつかなかったという。

カイちゃんは保護当時から人懐っこい子だった。先住猫のマナちゃんがいたので2週間くらいは2階の一室に隔離した。

マナちゃんと会わせると、2、3日はマナちゃんが威嚇した。少し距離感があったが、ある日、マナちゃんがカイちゃんが寝ている隙にお尻の臭いを嗅ぎ、その途端、いきなり母性に目覚めたようだった。母乳は出ないがお乳を吸わせ、カイちゃんはマナちゃんに懐くようになった。

カイちゃんは人見知りをするが、人が嫌いではない。自分に危害を加えないと分かると姿を見せる。1歳くらいまでマナちゃんにひっついてお乳吸っていたが、急に親離れして、半年くらい前からやっと松田さんにも甘えるようになった。

二匹とも性格や食べ物の好みが正反対なので、一緒に生活していてとても楽しいと松田さんは言う。カイちゃんを保護した時、夫は1年間の単身赴任中。今、一生懸命カイちゃんに信頼してもらえるよう頑張っているそうだ。

「2匹がぴったりくっついて寝ている姿を見ると、本当に幸せな気持ちになれます」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)