「いつも家に来る猫が下半身を引きずっている。どうしよう…」

今年2月初旬、そんな連絡が北九州市に住む預かりボランティアのなつめさんのところに入りました。連絡してきたのは、なつめさんの友人。庭に餌をもらいに毎日やってくる白黒のハチワレ猫が事故に遭ったようで、下半身を引きずってやって来たといいます。さらに、辛そうに下半身を引きずるハチワレ猫の姿を見た友人の家族から「そのまま放っておいて、安楽死させろ」と心ない言葉を投げ掛けられたそうです。

「放っておくことなんてできない」

電話越しでこう話し合ったなつめさんたち。動物病院に連れて行くため、保護することを決めました。

獣医師「左後ろ足の肉が腐りかけている」

当時ケガをしていたためか、警戒心むき出しだったというハチワレ猫を、なつめさんの友人はなかなか捕まえることができず…2時間ほど掛かってようやく保護しました。そして、すぐに病院へ。なつめさんも病院に駆け付け、痛みに耐えながらじっとうずくまるハチワレ猫と対面しました。

ハチワレ猫の左後ろ足は骨折して損傷がひどく、獣医師からは「もう左の後ろ足の肉が腐りかけているので、残すか足を切断するかは任せてほしい」と宣告。最終的に手術となり、足を切断することになったといいます。

さらに他の足も脱臼。ただ、幸いにもずれた骨は時間が経てばもとに戻り、残された3本足でも「歩けるようになる」と言われたそうです。とはいえ、ケガが回復したとしても「3本足で外の生活は難しい」と思ったというなつめさん。そこで退院後、ハチワレ猫を預かることにしました。

友人から預かった「6番目の保護猫」だから、ロクロウと命名

3本足となった白黒のハチワレ猫は、友人から預かった「6番目の保護猫」ということで、「ロクロウ」と名付けられました。3歳くらいの男の子です。

ロクロウくんがなつめさんの友人の庭に現れたのは2年ほど前。いつも庭に来るもう1匹の雌猫と庭で一緒に昼寝をしたり、遊んだりしていました。また、普段は自分から人の足にすり寄って来る甘えん坊さんで、とてもおっとりした猫だといいます。

保護してから4カ月ほど経ち喉をゴロゴロ

なつめさんは既に10数匹の猫と2匹の犬を飼っており、ケガで動きが制限されているロクロウくんはケージで飼育をすることに。また猫エイズの陽性も判明したことなどから、他の犬猫からは隔離しました。

「我が家に来た当初は警戒して毎日私に向かってシャーといって、威嚇していました。ちゅーるをなめさせながら、少しずつなでたりしてスキンシップを図っていくうちに、少しずつシャーもいわなくなってきて。今は、なでてあげると喉をゴロゴロ鳴らして伸び伸びしながらお腹も触らせてくれます」(なつめさん)

徐々になつめさんのおうちにも慣れていったというロクロウくん。保護してから4カ月ほど経った今、傷口もすっかりきれいに。3本足で歩けるよう段差を上り下りするリハビリなどを行い、上下運動もスムーズにできるようになったほか、3本足であることを感じさせないくらい、残っている太ももを使って歩けるようにもなったといいます。

野良猫として厳しい環境で過ごしてきたロクロウくんですが、こうして不慮の事故で足を突然失い、外猫から家猫となりました。人と触れ合う環境に慣れようと必死に頑張っているそうです。

大切にかわいがってくれる里親さんを待ってます

そんなロクロウくんに幸せになってほしいと、なつめさんは里親さんを募集しています。

「大切にかわいがってくださる方、愛情を惜しみなく与えてくださる方を希望しています。去勢済みです。猫エイズキャリアで3本足ということもあり、できれば1匹飼いがいいのですが…多頭でもきちんとお世話していただける方でしたら問題ありません。また、(猫エイズが)発症しないように毎日朝晩免疫力アップのサプリメントを餌に混ぜて予防も心がけています。理解していただける方がいらしたら幸いです」

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里親のお問い合わせは、なつめさんのTwitterアカウント(@Zw9Dp2jYwmbnCM4)のDMまで。

現在、千葉県浦安市内で開かれいている、障がいがある猫ちゃんたちの写真展「オンリーにゃんず」に3本足のロクロウくんも参加しています。場所は、オリエンタルホテル東京ベイ市民ギャラリー。6月29日まで。

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)