「にゃーん」と鳴いてアピールする猫

まめにゃん(オス・年齢不詳)は、群馬県に住むYさんの実家に突然現れた。2020年8月25日頃、Yさんのお母さんが庭に出ると、車の陰からじっと見つめてくる猫がいた。その子がまめにゃんだった。他にも時折野良猫を見かけたが、まめにゃんは毎日現れて、車の下にいたり木の陰から「にゃーん」と鳴いてアピールしてきた。

台所の電気をつけるとそちらに行って「にゃーん」、居間にうつるとそちらに行って「にゃーん」。真夏の太陽が容赦なく照り付け、水も食べ物もない環境だったので、家族は心配になってきたという。

ある日、お母さんが窓を開けて「にゃん」と呼びかけるとまめにゃんが近寄ってきて、部屋の中に入れてほしそうにした。野良猫ではないようだった。だんだん弱ってきたようにも見えたので、さつまいもをあげると喜んで食べた。

獣医さん「この猫は大当たり!」

Yさん一家は猫が大好き。しかし、昔、犬を飼っていたお母さんは、「動物を飼うと大変だから」とペットを飼うのをしぶっていた。お父さんはまめにゃんを飼いたくて仕方がなかったようで、何度か抱っこして家に入れていた。

9月1日、一家は、心配のあまりまめにゃんを保護することにした。

「もともと猫が好きな家族は、家に猫がいたらどんな生活なんだろうなんて話をしていました。特に姉は『猫を飼えたらいいな』と言っていましたが、母が乗り気ではなかったので実現しませんでした。私も猫のいる生活に憧れていたので、保護猫のサイトを見ては家族に紹介していました。帰省した時に猫の話を振り、『飼ってみたら?』と話すこともありました。そんな時に現れたのがまめにゃんです」

お母さんは、Yさんに「猫がいるんだけど、保護猫のサイトに載っている子みたいにどこか預けられるところはありますか?里親を探したいです」と相談してきた。

「よく調べてみると預かってくれるのは保健所くらい。サイトに載っている猫は、個人の方や保護団体で活動している方たちのところにいました。まずはごはんをあげて、動物病院で体を調べてもらわないと誰かに頼むにしてもダメだよ、と伝えました」

動物病院では大人しく診てもらい、先生には「この猫は大当たりだね」と言われるくらいお利口さん。

何度も何度も、可愛いアピール

まめにゃんを保護して、お母さん以外の家族は飼う決心ができたようだった。特に、お姉さんは、念願のにゃんこ!飼えたらいいなとずっと思っていたので「まさか猫から現れてくれるなんて!」と思ったそうだ。しかもお父さんの好みの茶トラの猫がやってきた! あとはお母さんがOKを出すだけだ。

迷い猫だと飼い主さんが探しているかもしれないので、SNSで該当の猫を探したが見つからず、警察に届け出をして待った。3カ月後に飼い主が現れなければYさんの権利になるので、その後に里親を探すために保護したという。

「3カ月も一緒にいれば可愛くて仕方ありません。うちに権利が移る頃にはすっかり我が家のにゃんこ。お母さんも飼う気満々です。12月、まめにゃんは保護期間を経て我が家の飼い猫になりました」

まめにゃんはどうにか飼ってほしくて、可愛いアピールをしていた。とにかく寄ってきては鳴いて、飼ってほしいにゃん!捨てないで欲しいにゃん!と。Yさんは「今思えば本当に猫をかぶっていました(笑)」と言う。

自分で手に入れた幸せ

まめにゃんは、病院の先生も驚くほど、おとなしい猫だった。時々イタズラはするが、手がつけられないほど暴れることはない。シャーと威嚇することもなく優しい。誰か家にいないと落ち着かないようで、家族を見つけると甘えてくる。おとなしくて、控えめなかわいい声でおしゃべりするようによく鳴くが、ウリャ!というような掛け声もよく出すという。

「今の生活も日々の思い出も全てまめにゃんが頑張って粘り強くアピールして、まめにゃんが自分で手に入れたお家と家族です。まめにゃんの頑張りを無駄にしないように家族で幸せにしてあげたいです。今ではまめ様状態ですが…」

Yさん一家はとにかく四六時中まめにゃんの話をしている。

「同じ話を何回もしますし、毎日毎時間可愛い出来事を起こしてくれるのでみんなで楽しく話しています。まめにゃんがいなければ家族全員がこんなに明るく笑顔で過ごしていないと思います。不穏な空気もありませんし、私も実家に帰る回数が増えました。猫一匹でこんなに生活が華やかになるなんて思いませんでした」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)