「フーちゃん、すぐ戻ってくるからね」

と棒を預けられたまま2年。愛する飼い主と離ればなれになりながらも力強く、ユーモアたっぷりに生きている猫のフーちゃん。

「飼い主から渡された棒は、貴重だった。」

という不思議な設定の4コマ漫画「貴重な棒を持つネコ」がSNS上で大きな注目を集めている。

Twitter上で「貴重な棒を持つネコ」の連載がはじまったのは昨年9月。以来、フーちゃんの絶妙なキャラクターは読者のハートをわしづかみにし、今年4月にはKADOKAWAから書籍化されたことによりさらにファン層を広げている。

作者の室木おすしさんにお話をうかがってみた。

中将タカノリ(以下「中将」):切なさと面白さが入り乱れた独特のストーリーで話題の「貴重な棒を持つネコ」ですが、この物語を思いついたきっかけをお聞かせください。

室木:10年ぐらい前にキャラクターを考えることがあり、その時に作ったキャラクターなんです。最初は「貴重な棒だ」と言われてそれを信じて健気に持っているネコというだけの設定でした。

その棒が貴重なのかも、どうしてそんなに信じているかも全くわからないというのが面白いと思っていたのですが、4コマにしてみようと思った時に背景や設定はやはり必要だと感じ、新たに考えた次第です。そもそも、「棒」って面白いなというのは、高2くらいから思っていた気がします。

中将:室木さんはご自身でもネコを飼われているのでしょうか?

室木:猫は好きなのですが飼っておりません。さらに言うと、猫アレルギーです。

中将:今、最新作では過去の記憶の世界に入り込んだフーちゃん達が棒の謎に迫りつつあります。もしかして「貴重な棒を持つネコ」このままの流れで最終回を迎えちゃうんでしょうか?物語の今後についてちょっとだけ教えていただけないでしょうか。

室木:ある種佳境を迎えてはおりますが、予定ではまだすぐには最終回ということではありません。これから貴重な棒を中心に、狙っている組織やらで、どんどん混沌としていきそうなので、なんとか混沌としないようにしようと思っています。そしてゆくゆく棒の謎が解き明かされる日が来るとは思います。

中将:4月に作品が書籍化され、パルコで開催中の出版記念展示会も盛況のようです。これまでの作品への反響についてお聞かせください。

室木:ありがたいことに単行本のお話は初期の段階でお問い合わせいただきまして、発売することが出来ました。またいろいろな方々のおかげで、渋谷、心斎橋のパルコさんで展示会開催することが出来ました。展示会で実際に読者さんとお会いでき、「本当に読者さんがいるんだ!」と実感できてとても嬉しかったです。「こののキャラが好きなんです!」というようなコメントは、そのキャラクターを作った作者冥利に尽きるといたく感動しました。

それから棒ネコのキャラクターを考えた10年前、まずTシャツにしたんですが、それを着てメキシコ旅行に行った人がいて、メキシコ人がめちゃくちゃウケていたらしいです。「貴重な棒を持つネコ」はメキシコ人向きなのかもしれません。

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はたしてフーちゃんの運命は?そして貴重な棒とは何だったのか?「貴重な棒を持つネコ」の今後の展開から目が離せない。

なおインタビュー中にもあったように現在、出版記念作品展が大阪市の心斎橋パルコで開催されている(7月4日迄)。ご興味のある方はぜひ足を運んでいただきたい。

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■「貴重な棒を持つネコ」出版記念作品展『棒ネコとゆかいな仲間たち』

 会場:SkiiMa Gallery(心斎橋パルコ 4F)
大阪府大阪市中央区心斎橋筋1丁目8-3
イベント期間:2021年6月22日(火)〜7月4日(日)最終日 18:00閉場
※休館・営業時間は心斎橋パルコに準ずる
入場料:無料

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)