工場見学のお土産品として開発された和菓子の形がユニークだと話題になっている。その形とは、リアルに再現された洋式便器だ。

この洋式便器の形をした和菓子は最中(もなか)で、名付けて「トイレの最中」。パッケージにある「最中」の文字の上下それぞれにローマ字で「MONAKA」「SAICYU」と、二通りの読み方が表記されている。

「トイレの最中」は、浴室やキッチン、トイレ、窓まわりなど、生活空間を総合的にコーディネートする株式会社LIXIL(旧INAX)が工場見学のお土産として開発したもの。LIXIL広報担当者にお話を伺った。

「これまでは地元の特産品や、会社の施設とかINAXライブミュージアムのグッズをご用意していましたが、新たに目玉となる商品を開発したくて検討していました」

お菓子で何かできないだろうかというアイデアが浮かび、会社が所在する愛知県常滑市にある和菓子の老舗「大蔵餅」に話を持ち込んだ。

「大蔵餅様とコラボして、ミニチュアでトイレの形をしたお菓子をつくってみました」

そもそも便器の形をしたお菓子という発想をもっていても、会議では発言しづらそうだが……。

「常滑市は古くから焼き物の町です。その焼き物である便器をお菓子にするアイデアに関して、当社では勇気がいることでなく普通のことです」

旧INAX時代から常滑市で操業してきたため、焼き物の街を盛り上げる一助にもなればいいという想いもあったそうだ。

「もっとも、世間の方と認識が違うところも分かってはいますが(笑)」

モデルは「当社で一押しのSATIS(サティス)です」

最中を便器の形でつくるにあたって、いちばんこだわったのは、やはり形だという。

「最中種(もなかの皮)の設計は、本物の便器の形をもとにCAD(Computer Aided Design=コンピュータ支援設計)で引きなおしました」

その設計図をもとに、お菓子の型をつくる業者に製作を依頼した。

「モデルにしたのは、当社で一押しのSATIS(サティス)」という便器です」

SATISは、トイレをたんに「用を足す」だけではなく、気持ちのいい空間にすることをコンセプトに設計され、インテリアに調和するようなデザインだという。

「トイレの最中を開発するにあたっては、リアルなところは可能な限りリアルにつくることを念頭に製作しています」

形の面白さに目が奪われてしまいがちだが、お菓子だから味も気になる。工場見学で「トイレの最中」を入手し、本稿のために画像を提供していただいた合同タクシー株式会社代表取締役社長の酒井辰郎氏は、自身のFacebookに「モナカとしては餡子も皮もリアルに美味しかった」(原文のまま)と投稿している。LIXILの広報担当者も「見た目だけでなく、味にも自信があります」と胸を張る。

では、どこで手に入るのだろうか。「トイレの最中」は、見学者向けのお土産として開発された商品だ。工場見学も、取引先やハウスメーカーなど事業者が対象で、一般向けには行っていないという。そういうわけで非売品だったが、思いのほか好評なので一般販売されることになった。INAXライブミュージアムで8月30日から先行販売されており、製造元である大蔵餅の店頭では「商品に余剰ができしだい9月から発売。予約販売は生産が安定するまで控えさせていただき、WEBでの販売は生産が安定ししだい開始させていただきます」とのことだ。

【製品概要】
商品名:トイレの最中
価格:300円(税込324円)

(まいどなニュース特約・平藤 清刀)