少なくとも10万超、一説には30万ともされる家系や家族を示す名字。立命館大学が作成した名字マップでは、同姓さんの人数や分布の様子が一目でわかります。「愛知が一番多かった…俺、東海民だったのか!」「我が一族、絶滅危惧種です」「嫁の旧姓、めちゃんこ少なかった。すまんな」などSNSで話題です。皆さんの名字、検索してみませんか。

名字マップは、電話帳や住宅地図の表札名の約4千万件のデータを、都道府県ごとに集計し、地図化したもの。検索窓に名字を入力すれば、絶対数と特化係数が示されます。特化係数はその名字が各都道府県で集積しているかを示すもので、100であれば全国と同様の出現といえるそうです。マップでは、2画面で異なる名字の地図化や絶対数と特化係数の地図比較ができます。作成したのは立命館大学で、顧客管理やデータ処理などを手掛けるアクトン・ウインズ株式会社が協力しています。

記者の名字(竹内)を入力すると、人数は97158人で、55/157227位と表示されました。人数は愛知、東京、大阪に多く、地図上でも色濃くなっています。特化係数は福井、長野、愛知の順でした。

名字由来netでも調べてみると、順位は54位とほぼ一致しました。人数は愛知、比率は福井がトップである傾向も同一でした。竹内の流派は①大和国葛下郡竹内村が起源②熊野本宮社家③清和天皇の子孫で源姓を賜った氏(清和源氏)④平賀盛義の子孫⑤清和源氏から出た堂上家の族など様々あるそうです。なお、愛知県知多郡阿久比町は10人に1人が竹内さんだそうです。いつか訪ねてみたい…。

地域色のある名字はどうでしょうか。沖縄に多い、比嘉さん、金城さんを検索しました。

すると、両方の名字ともに当然ながら沖縄が圧倒的多数ですが、比嘉さん地図では秋田と岩手は白地! 両県は比嘉さん未踏の地といえそうです。

名字マップを作成した文学部地域研究学域の矢野桂司教授(人文地理学)に聞きました。

ー自分の名字だけでなく知人や同僚、芸能人も検索するなど時間を忘れてしまいました

「このサイトについては似たようなものは、2008年ぐらいに出していたのですが、いまのLeafletで作成しなおしたのは2年くらい前です。データソースが、電話帳と住宅地図の表札名ですので、読みの違いが区別できないのが残念です。4000万の名前と住所のデータだと、他に分析にいっぱいあるのですが、都道府県レベルですと、レアな名前を示したりできますね。そういえば、本庶佑先生がノーベル賞(2018年、医学生理学賞)を受けた際は、名字についての取材を受けました」

ー特化係数に切り替えると、また違った地図が見える点が興味深いです

「特化係数は相対的な比率です。全国の総数に占める名字の都道府県の総数の比と各都道府県の当該の名字の占める比率が同じなら、係数は100となります。福井の竹内さんは321なので約3.2倍特化しているといえます」

ー比嘉さんは秋田・岩手が空白県だったことに驚きました。名字の多い少ないや分布状況からどういったことが推察されるのでしょうか。

「人の移り住みです。論文にはまだなっていませんが、北海道の屯田兵の名前や、海外日本人移民の名前などは人口移動の関連のテーマのひとつとなっています」

(まいどなニュース・竹内 章)