地域の人が保護した猫

モカちゃん(9歳・オス)は、地域の人に保護されて、動物看護の専門学校にやってきた。その専門学校では、地域の人が保護した猫を受け入れたり、学校の前に置いていかれた子猫などを保護していた。近所の人が保護したものの飼えないという子も引き受けていた。動物病院も隣接していて、必要な検査や不妊手術を済ませ、里親を見つけるための譲渡会を開催。生徒たちが動物の世話をしたという。

宮城県に住む渡部さんは、その専門学校に通っていた。動物の世話をしているうちに猫の魅力にどんどん惹かれていった。「犬と違いツンデレな子が多く、たまに甘えてきたり、心を閉ざしていた子が少しずつ心を開いてくれたり、近寄ってきたりする姿が可愛いと思いました」。

社会化できなかった猫 

渡部さんは入学した時から猫を飼いたいと思っていたが、毛色や性格など具体的なことは何一つ考えていなかった。しかし、2017年5月、モカちゃんと出会い、「少しずつでも心を開いてくれたらいいな」と思い、家族として迎えることにしたという。

モカちゃんは最初はとても凶暴で、抱っこも撫でることも決まった人しかできず、ケージに手を入れることすらできなかった。渡部さんも手首を噛まれたが、穴が開くほど強く噛まれた。「保護される前のことはモカにしか分かりませんが、野良出身ということもあり、たくさん喧嘩をしてきたのだと思います。人にもあまりいい思い出がなかったのでしょう。そのため人すらも怖くなっていて、近づいてきた手に噛み付いてしまったのだと思います。兄弟猫がいて社会化期を共にしていれば、噛み合いをして噛み具合などを学ぶことができたと思うのですが、兄弟猫とはぐれてしまった場合、力加減が分からないまま成長してしまいます。モカも社会化期に学ぶことができなかったのだと思います」。

凶暴、時々甘えん坊

6月17日、渡部さんはモカちゃんを連れて帰った。モカちゃんは家に来てからも慣れるまでに時間がかかり、最初はご飯をあげたり、トイレ掃除をしたり、必要最低限のことしかできなかった。1ヶ月弱時間をかけて、少しずつ撫でられるようになってきた。

モカちゃんは、ビビりゆえにたまに噛んでくる。しかし、たまにとても甘えん坊な猫になる。ネズミの猫じゃらしで遊ぶのが好きだ。「学校にいた頃に噛まれて手首に穴があいたことも今ではいい思い出です。家族全員犬派だったのですが、親もモカにデレデレになり、猫じゃらしで遊武など、笑顔でいることが増えました」。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)