母猫を事故で亡くして

ゆーじろーくん(6才・オス)は、2015年秋頃、神奈川県内で活動するボランティアに保護された。

神奈川茅ヶ崎市のマンションで、母猫が交通事故で亡くなってしまい子猫3匹でいたところ、地元のボランティアが兄弟2匹をすぐに保護した。しかし、ゆーじろーくんだけ逃げてしまい、数週間経ってようやく保護され、練馬区のボランティア宅で里親募集を開始したという。

幼い先住猫の友達を迎えよう

東京都に住む石川さんは、5才のうなぎちゃんという猫と生後半年のはなびちゃんを飼っていてが、幼いはなびちゃんが元気すぎて、うなぎちゃんがストレスでイライラしてお腹をこわした。

「さらに、うなぎの毛がボサボサになってしまったので、はなびと同じくらいの月齢の元気な男の子を家族に迎えようと思いました」

譲渡サイトで、織田裕二さん似の茶白猫がいるのを夫と見つけ、ちょうど川崎の譲渡会に出ると聞き、2016年1月、石川夫妻は子猫に会いに行った。
ところが、目当ての子猫はゲージの中で毛布にくるまり、見えているお尻はガクガクブルブル震えていた。

「保護猫カフェや譲渡会のお手伝いをしていたので色々な猫を見てきましたが、あんなに震えている子は初めて見ました。顔を見ることすらできなかったのですが、野良時代子猫独りで怖い思いを沢山したのだろうし、時間がかかっても愛情をもって接すれば必ず心を開いてくれるという確信もありました。会いに行く時点で家族に迎えると決めていたので、数日後うちに来ることになりました」

湘南生まれの石川ゆーじろー

2016年2月8日、ゆーじろーくんをボランティアが家まで連れてきてくれた。落ちついた頃カゴから出すと、先住猫のうなぎちゃんは、「また新入りが来たか」と、遠くから見ていた。
「人も猫も大好きなはなびは月齢も近く、すぐ仲良くなれるだろうと思っていたのですが、見たことのない般若のような顔になりシャー!!いきなりゆーじろーにパンチをくらわせました」
ゆーじろーくんは、身体ははなびちゃんより一回り大きいが、イカ耳になって押入の奥に隠れてしまった。

それから何も食べず2日籠城。ボランティアから聞いていた好物のごはんを置いたら、さすがに食べてくれてほっとしたという。

ボランティアはミックくんという名前をつけていたが、石川家の猫はうなぎちゃん、はなびちゃんという名前だったので、和風の名前にしたかった。織田裕二さんに似ていると聞いていたので「ゆうじ」と名付けようかと思ったが、実際見たら似ていなかったので、「湘南生まれの石川ゆーじろー(石原裕次郎さん)だ」と、夫がゆーじろーくんと名付けたそうだ。

多頭飼い成功の秘訣

ゆーじろーくんは、とにかく人が怖いようで、触れるようになるまで時間がかかった。昼間はクローゼットや押入れにいて、夜中になると出てきて、はなびちゃんと運動会をしているようだった。
「家庭内野良の状態が数ヶ月続きましたが、優しいうなぎが大好きになり、朝から晩までうなにぃストーカーをしては怒られています」

ゆーじろーくんは、うなぎちゃんが夫妻に甘えている様子を、いつも遠くから眺めていた。時間はかかったが、少しずつ足元にきたり、触らせてくれたりするようになったという。

「うちにきて3年が過ぎたある日、自分から私のベッドに登ってきて、爆音のゴロゴロを言いながら添い寝をするようになりました。ただ、抱っこは嫌いで、私がちょっとでも動くと逃げてしまいます」

最近は、石川さんがお風呂に入っていると、入ってきてぬるめのお湯を飲んで去っていくのが日課になった。

猫が2匹から3匹になった石川家。

「多頭飼いは絶対的ボスがいると平和で成功すると聞いたことがありますが、うなにぃというボスがはなびもゆーじろーも大好きなんです。みんながうなにぃに従うので、上手くいきました」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)